2018.05.16 #TSUSHIMA

WTS 横浜トライアスロン 2018 レースレポート

5月になり一気に日中の日差しがまぶしい日々が続いていますね。まさにトライアスロンシーズンの到来です。5月13日にWTSの世界選手権でもある横浜トライアスロン2018に参加してきました。 チームZOHNの津嶋は、他のトップアスリートメンバーと違って、レース目標をエイジグループの上位15%としているアマチュアアスリートになります。そういう意味で、そこそこ頑張っているエイジトライアスリートの方にも具体的に参考にして頂けるネタを発信していきます。

タイム:2:33:18 (Ageカテゴリー 44位)

本大会は横浜開港150周年イベントを皮切りにスタートした世界大会で今年で9回目を迎える。横浜観光のランドマークでもある山下公園を中心に開催される国内最大の都市型トライアスロンになる。首都圏からアクセスが良いこともあり、なかなか人気の大会でもあり、実際自分も過去落選3回・・・特にトライアスロンへのやる気スイッチが入り始めていた一昨年も落選。自宅そばのランニングホームコースで開催される地元でのレースに出られない残念さはもうこりごり・・・ということで昨年から早いもの勝ちの100名限定のチャリティー枠をガチでポチって、今年もなとかエントリーすることができた。

さて今回で出場4回目になり、津嶋がトライアスロンを始めた翌年に初出場した2012年からほとんどコース変更がないことからも、自分のパフォーマンス評価のベンチマークにもなる大会でもある。過去のタイムの推移は下記になる。子供のころは無酸素系スポーツしか経験がなく、長距離競技が苦手であったところからコツコツ積み上げている経緯をこの推移からも理解いただけれるかと。
 2012年:3:12:37
 2013年:落選
 2014年:落選
 2015年:2:40:29
 2016年:落選
 2017年:2:33:13
昨年目指した2:30:00切りが実現できなかったことから、今年は4分のタイムアップ(スイムで3分、バイクとランでそれぞれ30秒)を目標として臨んだ大会であった。さてさてレース展開とその時々の心の動きをお伝えします。
スイム
山下公園のどこ泳ぐの?とよく聞かれるスイムですが、まさに氷川丸の目の前の港の海を泳ぐんです。これもまたよく心配される水質は、上から見ても今年は例年より綺麗に感じていた。スタート時は懸念された風が多少出始めてはいたが、昨年に比べると弱い印象。水面も落ち着いていたので、今年は泳ぎやすいかも??という期待を持ちながらの試泳入水(本レースはスタート前に100mの試泳を動線に設定していることが特徴)。ただやっぱり5月の海は冷たい・・・ウェットスーツを着ていても入水時は全身ブルっとしてしまいます。まぁ泳ぎ始めれば忘れるかな・・・とブルブルしながらもスタートの浮島に向かう。
オリンピックディスタンスは、IRONMAN等に比べて出だしからハイペースになることもあり、どうしてもスタート前の緊張感は高めになる。といってもトライアスロンを始めたころから比べると心の余裕によりだいぶ落ち着いてる。スタートのフォーンと同時に意識的に前に出るが、今回は懸念以上にバトルに巻き込まれることなく、終始淡々とマイペースで2周回を終えることができた。

スイムは他の種目と違ってレース中にタイムが見えないので、まさにペースは体感に頼るしかない。さてスイムアップでのタイムは・・・32:31とまさに昨年から3分のタイプアップという目標通りドンピシャ。結構、人の感覚ってすごいよなぁと思いなが、満足しながら本大会の特徴でもある400mの長い接続距離を走りながらトランジションに向かう。
バイク
今回は横浜のテクニカルなコースに合わせて、DHバーなしのロードバイクを投入。トライアスロンのレースにロードで出場するのは実はこれが初めてである。そういうちょっとしたいつもとの違いを楽しみながらスタート。毎レース共にバイクセクション開始時はスイムからの移行に時間がかかり、どうしても心拍は上がり気味になってしまうがだいたい10分ぐらいで160bpm代に落ち着いている。しかし今回は、目標出力の210W付近を維持して走っているのになぜか心拍が172bpm辺りで安定している。

昨年のバイクセクションでの平均心拍が160bpmであったことからもこれは上げすぎと感じ、落ち着くのを待ちながら進んでいくが全く落ちる気配がない。6周回の3周回を回った辺りにさしかかっても170bpmを切らない・・・という辺りから、バイクの出力は目標より下げ目でもしょうがなく、今年力を入れてきたランで挽回しようと考え始めていた。
ロード投入の効果はどうか??というと直線と強くなる向かい風の中では終始DHポジションが取りたくてもとれないというストレスを感じ、ロードの性能を活かした高速コーナリングをしようとすると、コーナーは渋滞気味で結局減速している・・・ずばり横浜のコースでもTTの方に軍配が上がるというのが結論ですな。
とそうこうしているうちに6周回が終了・・・ここで少しタイムの計算ミスが起きてしまっていた。ペースを落としたことでプランより1分ビハインドで入ってランで2分挽回しようという作戦に切り替えたつもりが、結果3分のビハインドになってしまい。スイムでのタイムアップを完全にリセットしてしまっていたのである。
ラン
バイクを気持ち抑えた事より、ランのペースは少し押しぎみで入ろうとするが、やはりバイクからランへの入り始めは思うようにペースが上がっていない感触。ただタイムを見ると4:40秒/km辺りは維持できているので、中盤ペースを上げていけば・・・という期待で我慢しつつ黙々と一歩一歩踏み出して行く。しかし、いくら時間がすぎても相変わらず心拍が175bpm付近を上下している。体感的にはそれほどの辛さを感じないが、この心拍数を維持して10kmを走りきった記憶は殆どないため、どうしてもペースを上げられない。過去何度か経験した途中のペース上げすぎで、辛いだけのランの終盤を経験するのはもう嫌なのである(笑)

最後の3kmに掛けるか・・・と思ってトータルタイムを見たのが残り4km付近、あれ??あと目標タイムまで15分しかないぞ??どう考えてもキロ4分を切らないと目標が達成できないではないか??・・・ち〜ん。このあと少しという時点で目標タイムでのゴールは諦めざるを得ないころが発覚し気持ち的にはかなり焦る・・・でもまぁ最後までやるだけだやろうと残り3kmはギリギリまでペースアップしてゴール。

トータルタイム:2:33:18 (Ageカテゴリー 44位)

気持ち的には出し切った感満載のスッキリゴールではあったし、下記のデータからも分かるように今までのレースでも考えられないような高い心拍を叩いたランセクションになったが、実際ゴール後はこの数字に表れるほど追い込まれては居なかったという・・・今までに無い不思議な感覚ではあった。終了後、何度も自分のレースを応援してくれている友人や家族が、いつもより余裕そうだったよね??というコメントからもこの感覚は間違ってないのだろう。ということはタイムは変わらなかったが、パフォーマンスとしては昨年より着実に進歩はしていると自信を持ってもよいのではないだろうか。

データから見るレース分析
今回いつもと明らかに違う点はスイムからランまで通して平均心拍が10bpm程度高い結果となっていることにある。この原因は恐らく1週間前に実施した最大心拍付近で押した5kmランにあったと考えられる。実際、大会前日のジョグにおいても通常より10bpm程度高い心拍を計測しており、友人ともう一日寝たら戻るかなぁ??という不安も感じた夕食をとっていた。つまりこれは心肺機能に関するテーパリングの失敗と考えて良いのではないかと思う。
レース中においては常に170bpmを越える数値から先々潰れることを懸念して押さえてしまったことがバイクおよびランのタイムを落とす結果になった。パワーデータも目標NP(Normarized Power)=220Wに対して実際は202W。昨年の214Wより12W(約5%)低いという結果からもこのタイム差は納得できる。しかしレース中、およびゴール後も含めて体感的はそこまでの負荷を感じていないため、恐らくもう少し攻めることはできたのではないかと思う。ここの判断が数値をベースでレースマネジメントすることの功罪でもある。結果として今回は心拍ではなく、パワーを基準としてマネジメントした方が良かったと言える。
いやぁ・・・日々データと体感の双方から向き合ってきていますが、まだまだ自分の体を全然理解できていないですね。こうした一筋縄にはいかない深さが何より探究心が掻き立てられる根源なんです・・・って、これはかなり偏ったマニアの楽しみかもしれませんが・・・。
話は変わりますが、うちの子供も今まで何度もレースに応援は来てくれていたのですがレースにはほとんど興味を示さずにいたのですが、4月から小学生になって今回初めてレース中に声援を聞くことができました・・・家族の声援は想像以上に力になりますね〜(笑)。
次はちょうど1ヶ月後の6月17日に開催される長崎の五島列島で開催されるこれまた歴史ある国際トライアスロン。今回は短めのカテゴリーB(スイム1.9km, バイク124km、ラン21km)でのエントリーですが、昨年内蔵爆弾発動でのDNFのリベンジに臨みたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

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