2018.10.26 #TOHARA

IRONMAN 70.3 Shanghai レースレポート

開催地:中国、上海 開催日時 :2018 年 10 月 21 日 距離:スイム 1.9 キロ バイク 90 キロ ラン 21.1 キロ

Proカテゴリー 総合11位

1年ぶりのIRONMANシリーズ出場の為、中国の上海へと遠征してきました。上海までは成田から3時間のフライトで到着するので、沖縄行くのと変わらないくらいレベル。レースは上海から車で2時間、全長6300キロのアジア1長い川である長江に浮かぶ島、崇明島で開催されます。土地価格の高騰している上海中心部とは違い、とってものどかな島でした。まるで僕の住む茨城のようだ笑。

今回はJTUが発行する来年以降のIRONMANプロ資格を獲得できればと考え3位以内を目指しエントリーしたけれど、国体後珍しく複数日体調を崩してしまい、尚且つ2週間前に発表されたスタートリストを見る限り、参加者のレベルが高かったため、当初の目的は白紙にし、IRONMAN MALAYSIAへのトレーニングとして今大会を組み込むことにした。
およそ1年半ぶりに走るIRONMAN70.3、この場に戻ってこれて嬉しい。頑張るぞ!

そしてレースの朝がやってきた。準備でトランジットにいたらドイツのプロ選手に輪ゴムないかと聞かれる。余分にいくつかあったので、彼に分け与えるととても喜んでくれた。ふむ、良いことをした。その後、プレゼンテーションが終わり、スイムスタートエリアに移動する。

スイム 27分29秒
ポンツーンでのスタート。国体でこの方式でのスタートは上手く行ったから大丈夫、と言い聞かせて号砲を待つ。大丈夫、大丈夫、なんたって今日はHUUBのNEWウエットスーツ、ブラウンリーと共同開発して作ったAGILISを着ているからね。

左側に自分が入りたい集団を形成するであろう選手が固まっているのでダイブをして入水後はそちらに移動する。ウム、上手く行った。と思いきやダイブの衝撃か、ゴーグルがずれて少し水が入ってくる。視界が非常に悪くなってしまったが、実力者の集団に入るには水抜きしている場合ではない。懸命に泳ぐ。たった10m前方に集団がいるのに詰め切れず、間隔変わらずしばらく推移し、徐々に離されていく。ああ、集団に乗れなかった。
その後は一人で泳ぐ。途中数回水抜きして、その際ペースが緩むと誰かが自分の足を触ってくる。けれど前には来ないので、終始一人で先頭を泳いだ。スイムアップ付近で横に選手が何人か出てくる。前の集団は1分30秒前と絶望的な状況だ。トランジットへの移動中に先頭と4分と聞く。恐ろしいほど開いたけれど、WTS(World Traiathlon Series)でも先頭付近泳げるショートの選手が出場していた。ロングのスイムの強い選手の集団とは3分の差。どちらにしろ良いスイムではなかった。
 
バイク 2時間10分38秒
スイムアップは4―5人の集団で、トランジットでばらけて集団の2番目でバイクを乗車した。
最初の1キロは大きな道路へ行くまでの細い道が続くアプローチ。コーナーの減速を利用してシューズを履いてロスを少なくする。大きな道路に出て、横からイタリア人の元クイックステップ所属のプロ自転車選手、Domenico Passuelloが勢いよく抜いてきた。それは遠い昔の話さ、と彼は言ってたけど、バイクはやはり強い。自分の前にいる輪ゴムをあげたドイツ人は一時的にペースを上げたので、自分も同調して上げる。しかしDomenicoから徐々に離されていく。私も彼のバイクペースはキツイだろうと思い、追走しなかったけれどこれはミスだった。パスの瞬間は後ろつけられるのが嫌だからペースを上げるもので、徐々に落ち着いたと思うし、彼と平等に先頭交替するのは難しくても、このフラットで風のないレースで後ろ入れば、簡単には千切れなかっただろう。

というのもドラフティング効果は実は12m離れても大きく残り、そのあたりの感覚が久しぶりのIRONMANだったこともあり忘れていた。今回の出場選手それぞれバイクの実力はかなり違うけれど、ドラフティングレースのようにほぼ誰も集団から千切れない、そしてパックでバイクのペースが決まりラン勝負の展開だった。スイム遅れた私はその時点で勝負の土俵から降りていたと思う。だから挑戦的な意味でもDomenicoについていくべきだった。(終わってみると彼でさえ集団よりも遅いバイクラップだった。)

まだバイク3キロ地点だけど色々と書いてしまった。前のドイツ人のペースは少しゆっくりに感じたので、すぐにパスして先頭で漕ぐ。20キロ地点で3分前の先頭パックから落ちてきたオーストラリアの選手を抜く。20キロで3分詰めるのはバイク力に大きな違いがあるからだけれど、彼は私のパックの後ろで一度も前を引かず、しかし車間はしっかり開けて最後まで着いてきた。IRONMANは早くドラフティング車間を20mに変更すべきだと思う。個々の力が出た方が面白いし公平だと感じる。IRONMANはノンドラフティングじゃなくて、セミドラフティングが現状だ。
その後折り返し後にエイドをとっていると後ろのドイツ人が前に出てくれた。後ろに下がり彼と協調するか、自分がすぐに前を引くか、どちらに利益があるか考える。一先ず先は長いし、少し後ろで休むことにした。少し休んでからまた前に出て10キロほど漕いで、橋の僅かな登りで意図的にペースを落とすと、また彼が前に出てくれた。輪ゴムのお礼さ!!とは言わなかったけれど協調してくれるみたいなので、もっと短い間隔で前を交替しよう、頑張ろう、と声をかける。
どうでもいいけど「交替しよう」、と変換したら「皇太子用」と変換された。気品があるわね、僕のパソコン。
ドイツ人の彼とは非常に良い関係で協調できた。しかし60キロ地点程度でエアロポジションとりながらサドル後ろのボトルを取ろうとしたら、お腹が痙攣してしまう。かなり酷く攣ってまともにバイクを漕げなくなり、車間が30m程度に開くと後ろのオーストラリア人が慌ててダッシュで私を抜いてドイツ人に着いていく。そんな力が残ってるなら前引いてくれー。痙攣はすぐにおさまり先ほどと同様にドイツ人と協力しながらバイクを終えてランへ。

 
ラン 1時間16分10秒
ランに入ると先頭と8分程度の差と聞く。先頭集団は大勢でラン勝負な感じだったので皆走れそうだ。もう上位は無理だろうけれど、マレーシアへ向けて気合入れてしっかり走るぞ。
ランは7キロ程度を3周回、3分25秒ペースを目標に走る。まぁこのペースの維持は無理だろうけれど。最初の1周はだいたい予定通り。2周目から少しつらくなり、10キロは34分50秒くらいで少し落ちる。その後は脚の痙攣で力を徐々に失う。でもレースで痙攣するのは毎回だけど、いつも誤魔化して走れるので今日も大丈夫なはず。

少し力失っても何とか頑張る。2周目は3分35秒くらいで順調にビルドダウン。3周目はさらに苦しく3分45秒かからないようにするのが精いっぱい。何人か抜いたけれど順位は圏外なので意識せず、ペースをこれ以上落とさないでしっかり走りきることを目標にする。
耐えていれば終わりは来て無事フィニッシュした。スイム遅れたのがすべてだったけれど、上位はランもかなり速かった。70.3の距離を戦うには私はまだまだ弱すぎるな。

 
フィニッシュ後ホテルに戻ると、一度掲載されていた自分のリザルトがなぜか失格に変わっている。失格になる心当たりはないので理由を問い合わせているけれど、プロにとってある程度上位じゃなければ順位は何番でも大きな違いがないのが実情。何か自分がミスをしていて、その結果失格になっていたとしたら反省しなければならないけれど、いずれにせよ気持ちは11/17のIRONMANマレーシアに完全に向かっている。
今回の遠征ではワンダスポーツの皆様、中国大会日本語事務局の雨宮さんに非常にお世話になりました。本当にありがとうございます。来年も必ず中国の大会に戻ってきます。

サポート使用機材
ウエットスーツ:HUUB AGILIS
レースウエア:Pearl Izumi AIR TRISUITS
バイク:FACTOR BIKES SLICK
ヘルメット:KASK MISTRAL
ホイール:CORIMA 3SPOKE, DISC
タイヤ:VELOFLEX CARBON
リアディレイラー:CERAMIC SPEED Over sized
チェーンオイル:CERAMIC SPEED UFO DRIP
クイックレバー:TNI Shaved
ランシューズ:Reebok Floatride RunFastPro

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