シーズン最後のレース、IRONMANコスメルに出場しました。
はるばるメキシコまで長旅してきましたよ。今年はカナダ、アメリカ、メキシコと北米制覇です。今回も家族を連れての遠征だったので、移動は大変苦労しました…。まぁ諸々書いていると長くなりますので、ドラちゃんから借りてきたタイムマシンでレース10分前にワープしましょう。
全ての準備が終わり、そろそろプロのコールが始まるかなと思ったスタート10分前に、波が高いのでレーススタートを遅らせるとアナウンスがかかる。まぁたしかに波は高いし、これはスイム中止になるパターンや!と胸を躍らせる。スイムは苦手なのでキャンセルは大歓迎さ。雨も降りちょっと寒いので、ウインドブレーカーを着て待機。緊張感が薄れている。
30-40分経って急に今からスタートするから並べと言われてすぐさまスタート。中止にならなかったか…まぁ気持ち切り替えて頑張ろう。でもちょっと身体冷えちゃったよ。
スタートダッシュはまずまず上手くいったと思ったけど、もうひと追い込み足りなかったようで、想定より遅いパックになってしまう。なんて日だ。しばらく私が先頭固定で泳ぐ。ローテーションしたいので、ちょっとペース落としても誰も前に出てくれない。このままではかなりタイムを失ってしまう。と思って後ろを向くと、2分遅れで出発した女子の先頭グループが近づいてきている。もう2分差を詰めて来たので、我々よりもかなり良いペースで泳いでいるはずだ。女子について泳ぐ自信はなかったけれど、このまま遊泳しててもタイムを大きく失ってしまうので、必ずついて行かなくては。そうと決まると男子のパックで泳いでいてもしょうがないので、背泳ぎをしてまったりしてリカバリー。女子が抜いてきたタイミングで後ろにつく。パックの男子皆考えることは同じで女子の後ろに着こうと必死だ。後ろに着くとそれほどきつくは無く、ついて行くことが出来た。ありがとう女神様。
残念なことに、他の男子は皆千切れたので、バイクのパックは私一人のスタートになりそうだ。しかし幸運にも女神様が前の男子のパックまで追いついてくださったので、男子と協力してバイクを漕げるかもしれない。コスメルはフラットコースなので一人でバイクに乗るのは大変不利だ。後日談だが、前の男子パックの何人かは完全にドラフティングをしていたのを他のプロや周回コースで重なったエイジグルーパーが話している。大変遺憾に思う、なんて政治家みたいなコメントを残しておこう。
バイクは男子4人、女子2人でバイクに乗り出す。しばらくすると落ち着いてパックが形成される。私の他に男子が2人、女子が1人のパックだ。他の男子はあまり牽引が強くないので、私がペースを作ると、男子ではなく女子の女神様、リサ・ノルデンが前に出てくれる。リサ・ノルデンは女子のタイムトライアルのナショナルチャンピオンでUCIのロードタイムトライアル世界選手権も好成績だった超バイクの強いトライアスリートだ。パックのペースはあまり上がっていないように感じ、後ろに入るとかなりイージーだった。とはいえ前に誰もいない状況なので一人でパックから抜けるのは良い判断ではないと感じた。ある程度皆で協調しながら次の展開を考えるとする。
1周目が終わり、パックにいた男子選手がパンクで去って行ったので、リサとのランデブー。良いペースだわ、とお褒めのお言葉を頂く。女子なのに本当強いね。
2周目の中盤くらいに後ろからスペイン人の男子選手が追いついてくる。彼はバイクランの強豪で、私が目を付けていた選手だ。彼のお陰でペースは改善されたものの、何やら審判と話し始めている。どうやらペナルティをとられたようで、彼はすぐにいなくなってしまった。なんで彼がペナルティをとられるのか意味が分からないけど、気を付けないとね。
しばらくするとリサもペナルティをとられたので消えていく。まぁちょっと近いと思ったんだよね。一人になってもたいして疲労も感じていないので、そのまま乗り続ける。
しばらく漕いでいくけど、前にはだれも追いつけない。結構バイクは自信があったけど、俺遅いなーなんて思いつつ頑張る。最後の40kmくらいになってもうひと頑張りだと思っていると、ホイールから振動を強く感じるようになってきた。パンクか?と思ったけど、パンクならまともに漕げないし、違うか。なんか調子が悪いから心理的なものかもしれない。気にするな、なんて思いつつフィニッシュを目指す。
その後コーナーを曲がると、ぐにゃっときたので止まってタイヤの確認をする。するとビックリ1気圧も入っていない。スローパンクしていたのか。今日バイク調子悪いと思ったんだよね、と合点がいく。今からパンク修理するよりもこのまま漕いだ方が断然速いから、空気が0にならないのを祈りながらバイクに乗る。なんとか最後まで走行不可にならないでバイクパートを終えることが出来た。しかし不本意なバイクパートでかなりタイムを失ってしまった。ランを走るモチベーションが見当たらないけど、とりあえずトランジットへ。
トランジットを抜けると足と気持ちが重い。先ずはペースを上げずにリズムを作ろう。ややゆとりのあるペースで走っているけど、身体の重さが抜けない。感覚的には超遅いけど、時計をみるとそれ程遅くないペースだった。しばらくはこのペースを維持して様子をみよう。
折り返しからどんどん選手が戻ってくるけど、かなりの差が空いている。唯一の望みは午前中とは違い、晴れてとても気温が上がっている事だ。実際1周目から何人か潰れている選手を発見した。まぁとても上位に行ける感じはしないけど、徐々に足取りも軽くなってきたしこのまま後半勝負を念頭に走り続ける。
7km地点の折り返しで後続をみると、バイクで遭遇したスペインの選手が近づいてきているようだ。ほどなくして抜かれたので、彼の後ろに入り様子をみる。後ろに着いてからは全ての思考をクリアにして、ただ何も考えずについて行く。時々時計を見ると3’55//kmで一定。良いペースだがまだ余裕を感じる。
5kmほど後ろを着いて行ってから、付き位置も悪いと思い、ローテーションをする気持ちで前に出る。すると少し後ろが離れたように感じたので、とりあえずそのまま走り続ける。21km地点の折り返しではスペインの選手とは15秒程の差で、差が開いているとはいえない。後続は彼以外に走れている人はいないので、彼に抜かれないようにしつつも、前を追わなくてはいけない。今何位なのかイマイチ分からないが、かなり選手を抜いているし、リタイアも続出している。ベスト10に入れる可能性は十分にある。
そのまま3周目に入る28km地点で嫁から10位に上がったことを知る。やったぜ!前はもうかなり空いているので、自力で追い上げるのは難しい。歩いてくれたら抜けるけど、一先ずはベスト10をキープしたい。後ろのスペイン人とはまだ20秒程度の差で、ほぼ同じペースで走っている。もし彼が力を残していたらなんて考えるととても怖い。私はまだ余力があるので、ペース配分を考える。ラスト1kmでスパートするのは私の脚質ではないので、最後の折り返しの35km地点からの7kmを最速で走ることを目標にして、そこまでは差をキープしよう。ペースを落とさないように心掛けながら35km地点。差は1分まで広がった。残り7kmなので1kmあたり10秒近い猶予がある。最後の7kmを私が3分50/kmで走れば、どんなに力を蓄えていても追い抜かれるはずはない。そもそも差が広がっているのは余力がない証拠だろう。安心感と僅かな不安を持ちながら力を振り絞って3’50/kmまでペースを上げる。
きついけど40km地点で後ろを振り返って誰もいなかったらペースを落として走ろう。40kmが近づいてくると41kmまで頑張ろうに切り替える。41km地点ではせっかくここまで頑張ったから42kmまで頑張ろうに切り替える。42kmまで来るともうゆっくりでいいよね。ゴール前の沿道にいる息子に立ち寄ってからゴールを迎えた!
バイクでトラブルがあったけど。すべてを忘れられる良いランだった!シーズン最後をきちんと締めくくれてうれしいね。
応援ありがとうございました!
アメリカのLAKE PLACIDの大会から4週間が経ち、いよいよカナダで開催されるIRONMAN MONT TREMBLANTのレースの日がやってきました。4週間のカナダ生活は中々楽しい時間だったけど、今回も長いレポートになりそうなので、前置き無しでいきなりレース当日にしちゃいます。
(フィニッシュ地点の写真)
当日朝の水温は22.0度。プロは21.9度まではウエットスーツ着用OKなので、ぎりぎりのラインで着用不可となった。
カナダの朝はとても冷え込む。濡れた身体で号砲が鳴るのを待つのはどう考えても寒い。凍えちまうぜ。というわけで当日はウォームアップでの入水は行わなかった。プロのほとんどは泳いでいたが、昔出場したスイスのIRONMANで低体温気味になったのでリスクは避けたい。
アップが終わりスタートまで10分程度整列をするが、前にいた選手は寒くてブルブル震えていた。そんなんじゃ絶対まともに泳げないよ。水に入らなくて良かったなー。
選手のコールが終わり、レースの花火が上がる!たまや〜
前回のレイクプラシッドでは、全然速くない集団からスイムで千切れてしまった反省からスイムの改善に努め、レースの間の4週間である程度パフォーマンスを上げれたと思う。今回も同レベルの集団がスイムで形成されるので、そこからは千切れないようにしたい。自身のスイムに期待するものは何もないけど、この最低限の目標はクリアしないと。また、泳力の改善以外にもHUUBのスイムスキンのフラッグシップモデル、AGILISを新調した。レイクプラシッドは旧モデルを使用していたので、やっぱり新しいモデルの方が速いし、新品の撥水性は大変高い。良い機材を使えることは精神面でもプラスに働いた。
さて、そんな甲斐もあり、スタート後は余裕を持って集団内で泳ぐことが出来た。前回は半分を過ぎて急に腕が重くなったけど、今回はとても余裕がある。間違いなく千切れることはないだろう。7人くらいで時々足をペタペタしたりしてスキンシップを取りつつ仲良く泳ぐ。
後半に差し掛かったところで、2分後からスタートした女子プロに抜かれる。もう来たか、やはりペースが遅いようだなー。せっかくなので男子の列を離れ、女子プロについていこうと後ろに入る。泳力差はあるけど、流れを使えばついていけるかも!なんて思ったけど、あえなく千切れる。まぁ女子プロは男子の2分遅れでスタートしたのにもう追いついているからレベルが違いますわな。おとなしく男子の列に戻る。そして後ろから女子の2番手が抜いてくる。どうせ千切れるのだから今度はもちろん反応しない。すると前を泳いでいた男子選手が列を離れ、2位の女子プロにつく。やめろ!俺たちが敵う相手じゃねー、戻るんだ!と思いながら男子の列の空いた空間を埋める。
しばらくして列をそれた男子プロが撃沈していたので、回収してあげる。言わんこっちゃないぜ。その後は仲良くゴールまで向かいました。上陸前のドルフィンスルーで前に上がり、集団1位でスイムアップ。トップとは8分以上空いたけど、前回よりはマシなスイムだった。
トランジットでちょっと手こずって集団の3番手くらいでバイクに乗車。7人くらいの集団にいるけど、そのうち2人はバイクがとても強い。2人のうち1人はトランジットで先に行ったし、もう追いつけないだろう。後ろからもう1人強いのが来るから、それについて行きたい所。一先ず自分のペースで漕いでいると5km地点くらいでバイクの強い彼が抜いてくる。自分もパワーを上げるけど、想定よりもかなりペースが速い。無理なペース配分は禁物なので、彼を見送ってマイペースで漕ぐ。誰か足並み揃う選手はいないかと後ろを振り返ると、既に他の選手は大きく遅れていた。ああ、今日も一人旅か。まぁ一人旅の強い味方パワーメーターがあるので、自身のペースを守って、なんとか差を最小限に食い止めよう。と思いきや、パワーメーターの数値がどうもおかしい。雨の影響か分からないけど、不正確な数値が出ているようだ。数値に頼っていつも漕いでいるけど、感覚を研ぎ澄ませて漕ぐしかない。オーバーペースにならないように気を付けなくては。
最初の30km地点で水を受け取り、エアロバーの間のボトルケージに差し込む。そしてしばらく漕ぐとケージがカタカタと震える。えっ、なんで震えてるの?と思ったら、ケージが取れてしまった。特殊なエアロバーを使用しているので、無理やりケージを設置している状態だったが、このタイミングで壊れるとは…。練習では全く問題なかったのに。給水用のボトルを差し込む場所は無いので、胸にボトルを入れて凌ぐことにした。最初は胸のジッパーが下がってしまい、停止して付けなおして、またロスをしてしまった。スイムで既に遅れをとっているというのに、こんな状況で大丈夫だろうか。コース中にいくつかある折り返しで差を確認するが、想定よりもかなり差が開いている。この位置ではかなり厳しいと思う。しかし前回大会でランは失敗しているので、しっかりと潰れないランニングをしたいと強く思っていた。順位以外にも課題があるので、自身のレースをしなくては。
バイクパートは悪いなりにまとめる事が出来たと感じる。後半にかけて何人か抜いたし、ペース配分もパワーメーターが無い割には悪くないと思う。少なくともまだやる気満々だぜ。
バイクを降車してトランジットに入り、よし、ランに行くぞ!と思ったら、ペナルティ1分を頂く。なにやらバイクを置く前にヘルメットのストラップを外したらしい。どうせ1分休むのならトイレにでも行きたかったなー。
上位争いは厳しい位置にいるが、そこは一先ず置いて良いランニングをしなくては。対面の折り返しが10kmおきにあるので、他の選手の動向をみながら順位の目標を設定していきたい。前回の反省を活かして暑さを感じない序盤からしっかりと身体を冷やして慎重に進むことにした。ペースも上げないように我慢だ。周りには誰もいないし、良い感じに集中してレースを進める。どのくらい私が集中していたかというと、ランの7km地点、途中の長い細道で野生の鹿に出くわした。レース前の練習時に鹿がいると、あっ鹿だ!と声を上げていたが、今回は鹿には目もくれず、声をかけなかった。鹿をシカトしてやったのだ。これはレポートのネタになるなとレース中走りながら考えていたので、実のところあまり集中していなかったのかもしれない。
そうこうしているうちに対面から折り返してきた選手とすれ違う。ベスト10に入りたいと考えていたが、まだまだ差が大きい。でもレースが動くのは後半だ。自分は後半になっても良いペースを刻めるように集中する。
その後はちょっとキツイなーと感じる瞬間もあったが、足取りは大きく落ちずに30km地点を折り返した選手と対面する。1-6位くらいまでは接戦だ。どうあがいても追いつかない。7-8位、まだまだ差が大きすぎる。9位、これもまぁ無理だ。10位は何処だ?私がもっと折り返しに近づいてから対面したいなー。
中々10位は現れなかったが、とうとう姿を確認!なんと2ℓのコーラを抱えて歩いているではありませんか!この状況から察するに回復の見込みがまずないので、彼のことは抜ける。その後、11位で顔なじみの陽気なフランス人、ロマンと対面する。私はここまでかなりの差を詰めてきている。ロマンはこの後コーラ持った選手を抜いて10位に上がるだろうけど、後半失速することが多いので、抜けるはずだと思った。彼を抜けば10位になれる!!やる気が出てきたが、まだ距離が長く無理は禁物だ。自身のペースを守ることを心がける。
そして38km地点!10位のロマンが歩いている!!やった、俺が10位だ!とおもいきや良いペースで走る選手がロマンを抜いていく。えっ、誰だあの選手?エイジだといいな。ロマンはいつもレース撃沈すると、みんなを応援しながらレースを消化する良いやつなので、私が抜き際も声をかけてくれた。「ベスト10すぐ前だよ、アレアレ!」対面の際エイジの選手も多く気づかなかったが、もう一人いたのか。ゴールまで激しいバトルにりそうだ。しかし逃げる彼のペースがとても速い。私は多少撃沈しても11位から落ちる事はないので全力疾走で10位を目指すが差が広がっていく。こんなに体力残っているのなら、もう少し序盤から頑張りなさい!
最後まで精いっぱい走って10位と30秒差の11位でゴールした。
結果はイマイチだけど、IRONMAN面白いなーと強く思った。レースに出ない間はモチベーションも上がらず、2022年は故障が多くトホホな感じだったけど、また上を目指して頑張ろうと思う。応援ありがとうございました!
久しぶりのIRONMANレース復帰!
今回出場するレースはアメリカのニューヨーク州北部で開催されるIRONMANレイクプラシッド。レイクプラシッドは1980年に冬季五輪が開催された場所で、オリンピックセンターの横が今回のフィニッシュエリアだ。
それにしてもIRONMAN参戦は久しぶりですね。コロナコロナと騒がれるようになってから、結婚したり子供が生まれたり、大会の中止や渡航の制限、怪我もありIRONMANはお休みしていましたが、また大会に参戦できるのは嬉しいです。
今回は44日間、家族を連れての長期遠征。レイクプラシッド参戦後はカナダに移動してもう1レースIRONMANに出場します。
さて、遠征の出来事を書いていると長くなるのでレーススタート1分前に時を進めよう。
今回のレースはアメリカの異常気象的な暑さを受けて、避暑地であるレイクプラシッドもかなり気温が上がり、頼りにしていたウエットスーツの着用は禁止。事前の予想では、スイムではパックが2つ出来ることを想定していた。
前のパックは自分にはペースが速すぎて入れない。後ろのパックは自分には余裕があるだろうけど、レース全体でみると2つのパックの間を泳ぐよりも、最初から後ろのパックに乗った方が良いと思う。
スタートダッシュは落ち着いて自分自身余裕を持って泳げるはずの後ろのパックに入ることを目標にした。選手のコールが終わり、号砲が鳴る。8時間以上の長い旅が始まった。
スタート後は若干落ち着かない時間はあったが、無事に後ろのパックにジョインする。ペースも速くないので余裕はあるが、前の選手の後ろを泳いでエネルギーの節約を心がける。時折間が空いてしまっても問題なく復帰できた。
しかし1周目の終わりごろから既に疲れを感じてくる。次に間が空くと復帰がキツイだろうと感じ、前の選手から離れないように集中する。しかし、周回終了時の上陸等の慌ただしいタイミングで前とのギャップが空いてしまう。これはまずいな、と思いつつも差をつめることが出来ずに千切れてしまう。
これから一人旅か…。疲労も感じるし1人で泳いだら大幅なタイムを失ってしまう。事前の想定ではおそらく同じパックでスイムを終える、バイクの強いMicheal WeissやMatt Russelと一緒にバイクを漕ぐのか、マイペースで行くのか悩みどころだな、と思っていたけど、悩むまでもなく私は既にスイムで千切れている。ははは。
意気消沈してスイムを上陸。先頭は8分差の16位と聞き絶望。バイクの強い選手が多い前のパックは視界に入らないので追いつけない。一人旅決定だ。青春18切符で旅したあの日を思い出すぜ。
この位置でバイクを始動するとは思わなかったけれど、とにかくゴールを目指して進むしかない。前には追いつけないし、後ろの選手はバイクが強くはないので、後ろを期待して緩めてもいけない。コースはとてもきつく、2周目をしっかり走ることが重要だ。それにバイクパートだけでは上位に行けないので良いランニングも必須だ。もう大きなミスをしないようにしよう。一人の利点はペース配分を自分でコントロール出来ることだ。パックに乗ると空気抵抗が減り、速く走れるけれど、集団のペースの上げ下げで疲労がたまりやすくなる。今日は一人旅決定なので、最初速くて後半潰れる、といった愚かなミスは避けなくてはならない。マイペースで漕げる唯一の利点を生かして自分の実力を発揮しよう。
最初の20kmで2人を抜いてエイドステーションに到着。走りながら水を受け取ると、ウォーターはペットボトルだった。ペットボトルでもなんでも良いのだけど、このボトルは径が小さいので、エアロバーの間にあるボトルケージに置くとガタガタとする。ここにボトルを置く予定だったが、どう考えても途中で落ちる。困ったぜ。
仕方ないので自分で用意したサドル後ろの補給用ジェルが詰まったボトルをエアロバーの間に置き、ペットボトルをサドルの後ろのケージに入れることにする。径は違うけれど、サドルの後ろは地面に対して垂直にケージを設定しているので、よほど振動が無い限り落ちない。しかし適宜飲む飲料用のボトルをサドルの後ろに置くのはかなりのロスだ。取るときに上体を起こさなくてはならない。しかし多少ロスがあってもしっかり水分の補給が出来るようにすることが重要だ。
その後もほとんど一人旅だったが、ペース配分を最適化しようと努力をしたので、大幅にペースダウンすることなくバイクを終えることが出来た。バイクは前より強くなっているので、以前ほどバイクパートで差は広がらなかった。まだ上位に行くことは可能だろう。
ランは得意なパートだけど、今年は腸腰筋の痛みに悩まされているので、あまり練習を詰めていない。最近になり痛みは消えたが、違和感が残っているので不安は拭えない。自分の練習状況や現在の疲労度から無理のないペースを心がけて10位でランスタート。
ランスタートして早々、自分の頭の中がトイレに行きたい要求で支配される。トイレに行くとタイムロスをするので、ある程度勝負の行方というか、自分の順位的な着地点が見えてくるまで我慢だ。とは思うものの、そんなに我慢は出来ません。スタート後2km程度でトイレに行く(小です)。今日1日で一番幸せな時間だ。しかしレース中のトイレというのは勢い止むことを知らない。1分以上ロスをしてしまった。私もこれくらい勢いよく走りたいね。
トイレ休憩のお陰で足取りも回復。いい感じに走れるようになった。最初の10km程度で折り返しがあるので、ここで前との差をチェック。前2人は1分30秒くらいの差だ。トイレに行っていた事を考えると自分の方がかなりペースは速い、直ぐに追いつくだろう。しかし走り出してまだ10キロなのに足の裏が痛い。トランジットで靴下を履くときに踵の位置が微妙にずれてしまったけれど、構わず履いてしまったからかもしれない。この先もしかしたらこの靴擦れのような症状が悪化して走れなくなるかもしれない。またロスをしてしまうのは痛いけれど、最悪の事態を避けるために靴下を履きなおすことにした。ああ、トランジットで直しておけばロスは最少だったのに…。靴下の履きなおしには30秒程度かかり、おまけに靴を履くタイミングで足が痙攣してしまった。泣き面に蜂ですな。
やっと落ち着いて走れるようになったので、落ち着いて前を追う。19km付近で6-9位の選手が固まっていたので、この区間は大変気持ちが良かった。ボーナスステージに突入したかのように順位を上げて6位まであがる。やったね!
5位はかなり先なので難しそうだけれど、明らかに差は詰まっているからまだまだ頑張ろう。しかし、中間点を過ぎてから次第に足取りに陰りが見え始める。キツイコースと暑さ、自分の状態の悪さにより、予想以上に消耗していたようだ。28km付近の折り返しで5位との差が詰まっていないのを確認してからは、もう前を追うのはやめて6位をキープするために走ることにした。後ろは2分差なのであんまり落ちると順位を維持できない。しかしどうも頭がクラクラするし、足がとても重い。1km4分30秒ペースまで落ちてしまう。まだ残り距離があるのに、とてもしんどい。後続もこのコンディションだとおそらくペースダウンするだろうから、4分30/kmのペースでもキープすれば順位は守れるだろう。もう速く走らなくて良いから、歩いたり止まったりは絶対に避けよう。
残り10km、4分30秒/kmは自分にとってジョグのペースだけど、既に虫の息の身体には大変辛い。でもIRONMANはいつだってキツイさ。残り2kmの折り返しで後続が迫っていないのを確認。最後のレッドカーペットの上はトイレに行った時に感じた幸せを上回る達成感。またIRONMANになったぜ!
パフォーマンスは良い点、悪い点あったけれど、4週間後の次戦までに労力無しに改善出来る点がいくつか見つかった。それに一度IRONMANを走っているので、次のレースでもこの経験を身体は覚えているはず。今回は順位に影響しなかったからランで失速しても問題なかったけれど、もし競っていたら確実に順位を落としていた。次戦は現時点で自身が納得できるパフォーマンスを発揮したい。
5月22日は地元茨城県の潮来トライアスロンに出場しました。トライアスロンレースへの出場は2年半ぶり!2020年以降はレース会場にも足を運んでいなかったので、浦島太郎になった気分です。潮来トライアスロンは地元の慣れ親しんだ大会なので、久しぶりのレースとしては気楽に望めて良い感じだね。今年はIRONMANにも復帰するので、実戦練習をしておきましょう!
大会に出場しない間もトレーニングは継続していたので、バイクを中心にパフォーマンスは上がっているものの、ここ2か月程は股関節や腰の不調を抱えていたので、出場を悩みました。しかし、このタイミングで出場をしないと久々のレースがIRONMANになってしまい身体に悪そうだ。幸い最近は痛みも感じなくなっているし、無理そうならリタイアしても問題はないので、とりあえずレースの雰囲気を味わなくては。
今回はレース会場に息子を連れていったので、諸々勝手が掴めずにスタート前はあたふた。アップを十分に出来なかったので、もっと時間に余裕を持たないとだめだね。
久しぶりのオープンウォーターでのスイム。最近の泳力的に普段通り先頭から2分は遅れそうだ。
2名ずつ、6秒間隔のローリングスタートなので、マイペースで泳ぎつつも、流れを利用したいところ。同時スタートの相棒は大学トライアスロン部の後輩の中川君で、私よりもスイムが速い。最後まで着いていける可能性は薄いものの、大学の大先輩である私を置いて泳ぐなんてことはしないはずだ。きっと丁度良いペースで引いてくれるはず。
そんなことを考えているうちにレースがスタート。最初のブイまでは中川君の足をペタペタしながら回る。しかしどうにも気分が悪く、呼吸が出来ない症状が現れる。普段なら冷静に耐えるところだけど、どういう訳か泳ぐのを辞めて小休止することに。
小休止後は落ち着くまでペースを緩めて、意気消沈しつつもフィニッシュを目指す。タイム差は想定よりも大幅に開いたので、この先が心配だ。スイムアップをしてトランジットに向かう途中で先頭と3分30秒差との情報が入る。
あああ、何をしているのだ。
バイクで先頭に追い付くまで時間がかかりそうだけど、バイクパートは昔よりもだいぶ速いんだぜ。このくらいの差なら問題ないはず。
バイク乗車後は、セッティングしといた輪ゴムが切れたようで、バイクシューズを履くのに手間取る。オマケにIRONMANのレースシューズで出場した為、トライアスロン用のシューズに比べて履くのが難しい。下を向いたりして気を取られていると、縁石に前輪がぶつかり、土手に着地する。なんでこんなつまらんミスをしてるんだ、と思いつつも急いでバイクにまたがりシューズを履き、落ち着いてバイクを進める。直角コーナーが周回中に多数あるが、道幅も狭く、エイジグループとの混走のため、自分のペースで曲がることが難しい。コーナーが連続するゾーンではタイム差が生まれないので、直線部分で前との差を詰めなくてはならない。
巡行中にパワーを見ると良い数値が出ている。これなら問題なく追いつけるだろう。コース上の対面通行箇所で先頭を確認。先頭は時々一緒に練習をする古山大(タイシ)だ。待っててね、直ぐに追いついてみせるから。とテレパシーを送っておく。
2周目に走り、何人か抜いていく。もはや自分が何位なのか全く分からないけど大丈夫だ。なんといってもパワーは出てるんだから、と思いガーミンを見ると、ハンドルで適当にテープで止めておいたガーミンが吹っ飛んだようで無くなっている。あちゃー。ガーミン飛んでガビーン!!みたいなギャグをレポートに載せるしかしかないな、なんて思うくらい冷静だぜ。
そうこうしているうちに3周目のラストでタイシ選手に追いつく。このタイミングで追いつくということは、バイク終了までに1分30秒くらいは離せそうだ。追いついちゃったぜニヤリ、といった感じでタイシとアイコンタクトをとってから先を急ぐ。
4周目も無事に漕いでトランジットへ向かう。ガーミン飛んでパワーは分からないけど、余力は十分。今日は楽しいランニングになりそうだ。
トランジットを出てもまだ後続は見えてこないので、セーフティリードがありそうだ。ランは身体の不安もあるし、後ろとの差があれば余裕を持って走ると決めているので様子を伺いながら距離を消化する。片道1.25kmの折り返しなので対面箇所がたくさんある。差を確認しやすいコースなので、先頭を走る上では最高だね。特に問題もなくランを走り切り優勝できた。
久しぶりのレースはやっぱり刺激をもらえて楽しかったね。
次戦はIRONMANなので、気合いをいれてコンディションを整えてレースに臨みたい。
シーズン最後のレース、IRONMAN MALAYSIAに出場してきました。
この大会は過去4回出場していて、5位、5位、3位、2位と全て上位に食い込んでいるとても相性の良い慣れ親しんだ大会だ。東南アジア特有の暑さと湿度でも安定したパフォーマンスで走れることが自分の強みと言える。
2020年のIRONMAN世界選手権へ向けたクオリファイは僅か1枠のみ。つまり優勝者しかコナには行けないので、それを目標に臨みたいところだけど、今年は出場選手のレベルが高く、現実的に6位の表彰台を目標に臨むことにした。現実的な目標の方がモチベーションを維持しやすい。
現地にはちょいと早めの6日前に入ることで、暑さに身体を馴らす時間を確保した。順調に調整を進め、いよいよレース当日がやってきた!
スイム 3.8km(2周回) 53分44秒
スタート位置はロープ沿いの右側を陣撮った他のプロ選手達と違い、私は左側に陣とった。私の見立てではここが最短ライン。左右に選手がいないからスタートもしやすく、昨年もこの位置から非常に良いスタートを切れたので、自信を持って選手と少し離れたスタート位置で待機した。スタートの号砲が鳴り入水し、泳ぎだすとすぐに右側スタートの選手と合流する。おぉ、第一集団に乗っている!!素晴らしい!!
ただやっぱりペースが速く、無理せず少しずつ離れていく。もっと食らいつけば良かったと今は思うけれど、今日はスイム&バイクは第二集団で走ることを想定していたから、安易に下がってしまった。結局第二集団の最後尾まで下がったところで、集団にジョインする。
第二集団も自分よりやや上の泳力の選手達だと判断していたので、後ろで着いていくのを目標にしていたけれど、非常にペースはゆっくりに感じた。とても楽なので前の集団とのタイム差が心配になる。とはいえ、この集団の選手の2人はバイクでやや各上の選手だし、バイク中に脱落しないようにスイムではエネルギーを節約したい。という訳でそのまま集団最後尾で待機。
人生で1番楽なスイムパートだった。
バイク 180km(2周回) 4時間50分06秒
トランジットを抜けてシューズを履き、一緒にスイムを泳いだパックに入る。5人の集団で、PerとNickの2人が予想通り入っている。
彼らは何度も一緒にレースを走っており、前述した通り自分よりややバイクが強い実績のある選手だ。彼ら2人と協力すれば、前の集団の強豪選手達にバイクで追いつくことはなくても、ゴールまでには調子の悪い数人を回収できるだろう。非常に良い展開だ。私は5人のうち後ろから二番目に入り、私の後ろにはNickが待機している。彼は力があるのに後ろに回っていて、非常に不気味だ。誰がパックを引いているか良く分からないけど、バイクでもスタート直後の集団のペースはゆっくりだ。
スタートから20分程度してPerが先頭に出て、少しペースが上がりはじめたので、そろそろローテーションして漕ごうと思ったところで折り返しがやってくる。そこで気づいたけど、私の前の2人が既に中切れしていて、Perが10秒くらい集団の前にいた。併催の70.3の選手が多数コース上にいて、気づくのが遅れてしまった。中切れの選手では追走が出来ないと判断し、私が先頭にでてPerを追いかける。後ろのNickは力をセーブしたいのか追走には協力しない。
ほどなくしてPerに追いつき、5人から2人千切れて3人の集団になった。よし3人で頑張ろうと思った矢先、補給ジェル等が入ったボトルが無くなっていることに気付く。どっかの段差で飛んだらしい。以後エイドでジェルをもらうことにするけど、今日はしんどい1日になりそうだ。
最初の100キロはPerと私で半々くらいで漕ぐ。Nickはローテに加わらないので、Perも私も牽制してしまい、それほどペースが上がっていない。1周目を終えて先頭集団との差を確認する。先頭2人、追走2人、その後単独走の2人の後、7位集団が我々の集団だ。その後Nickもローテーションに協力しだして3人で回すが、今度はPerが前を引かなくなってしまった。我々の集団はあまりペースが上がっていないようで、最初に集団から千切れた選手が120Kキロ地点でまた復帰してきた。
その頃から私はややエネルギーの枯渇感が出てくる。各エイドでボランティアの方が出してくれるジェルを取ったり取らなかったりしていたので、補給が足りていないようだ。パックから離れるのが嫌なのでエイドをスルーしてきたけれど、そうも言っていられないので、その後はエイドで止まってジェルを複数貰うことにする。補給しながらパックを追いかけ、無事に追いつき、そのまま進行する。
レース後半で昨年チャンプのウクライナのsapunovを抜く。彼は2週間前のコナに出ていて本調子ではないようだ。これで我々のパックは6位集団、表彰圏内の集団だ。ランでは絶対に表彰に上がるぞ。
その後150キロ地点のエイドでジェルを貰うために止まり、再スタートしたけれどNickとPerには追いつかず、かなりエネルギー不足を感じたため、マイペースで漕ぐ。 バイクのラストで5位のRomainがランを走っているのを見つけた。彼は実力者だけど、ランカウイではかなりの確率で良く歩く。ちなみに歩いているときはいつも私を応援してくれるいい奴だ。調子が良さそうに見えないので、彼もランで抜けるだろう。トランジットではNickがまだシューズを履いていた。たぶんPerも近くにいるだろう。
ラン 42.195km(2.5周回) 3時間02分44秒
冷房の効いた室内トランジットを出ると、そこはもう灼熱のランコース。いいね、いいね!暑いの大好きだ。
バイクで塩分の補給が出来なかったので、ラン序盤は塩分とエネルギーをやや多めに補充していく。開始5キロ程でPerを抜き、単独6位に浮上。その後Romainが歩いていたので、彼も抜き5位にあがる。前にはもう抜けそうな選手がいないので、ややペースを落として走る。ここで無理をする必要はないだろう。熱いのでエイドで止まり身体をとにかく冷やす。タイムを稼ぐ為にエイドをスル―すると後でツケを払うことになる。
1周目を終えてしばらく走ると23キロ地点の折り返しによる対面地点でPotts選手が私の後ろに走っていることに気付く。抜いた記憶はないので、どっかで止まっていたのだろう。これで4位に上がり、3位は陽気なブラジル人のThiago選手。
彼は友人で今日のランコースで会うたび声をかけてくれるナイスガイだ。彼はランも速いし暑さにも強く、私とは既に大差があるので、今日はもうこれ以上順位が上がることはないだろう。潰れないように安全走行で残りの距離を消化する。
最後の対面でThiagoと手でパチンと健闘を分かち合い、身体を冷やしながら、ゴールへと辛抱して走る。最後のエイドでコーラでも飲もうかなと思ったけど、ゴール後に楽しみをとっておくことにした。ラスト1キロでは今年を回想しながら走り、無事に4位でフィニッシュラインを切った。
表彰台という目標は達成したけれど、そもそも力がないので目標を下げての結果なので、心境は微妙だ。今のレベルでここ数年を過ごしてしまっているので、このままでいいの?と自問自答している。
来年はIRONMANで活躍できるよう飛躍したい。
いよいよ茨城国体の開幕!
私の活動のひとつ、茨城県のスポーツ専門員としての最大の任務は、この国体で成績を出すこと。そこまでのプロセスは評価されず、とにかくこのレースで良い成績を出さなくてはならない。
ちなみに戸原のここまでのショートのエリートレースの結果は
・プレ国体 3位
・福井国体 20位
・関東選手権 10位
・アジアカップ村上 DNS(出場資格すら得られず)
以上、とても茨城国体で上位は期待できないような成績を残している。えっへん!
これらのレースでは成績は狙っていなかったものの、対策や調整、モチベーションなしに茨城国体に臨んだ場合は、同じように惨敗するだろうと予想できたので、今大会では上位に入る為に、しっかりと準備をして臨んだ。
自分にとっての朗報は茨城国体にはワールドカップクラスのレースに出場しているショートの選手のエントリーが少ないことだ。また、バイクの強い選手も少なめだと感じたので、スイムが遅れてもある程度は巻き返せるかもしれない。ただし、いずれにしろ自分より実力、実績、経験のあるショートを専門にしている選手が相手なので、厳しい戦いになりそうだ。
そしていよいよレース当日。
デュアスロン(バイクーランーバイクの競技)に変更にならないかな〜・・・IRONMANに変更にならないかな〜・・・と、弱気に願いつつも、当日は予定通りショートディスタンスでの開催が決定する。もうやるしかないのね。
水上のポーンツーン(スタートの飛び込みエリア)の上、茨城県の安松選手の後ろに立ち、スタートを待つ。ドキドキ、ドキドキ。
そしてレースが始まった!!
スイム 1500m(2周回) 21分25秒
入水後はすぐ近くにいる良い泳力の選手たち、高濱選手や末岡選手の後ろに着くことを目標にするも、いきなり見失う。周り見ながらも慌ただしく泳いでいるうちに、少しポジションを下げてしまったと感じた。300m先の第一ブイあたりでは、既にパック(集団)はやや前方になってしまい、少人数の選手がポツポツいる感じだ。
2周目はほとんど一人旅。一人旅は好きだけど、スイム中は誰かと一緒がいいわね。スイムアップすると先頭と2分50秒差と聞く。ウム、ちょっとミスった。
トランジットに向かう途中、「後ろに文也いるよ!」と声が聞こえてきて、私の昔のチームメイトがすぐ後ろにいることを把握。だけど待てないよ文也君、バイクは先に行っちゃうぜ。トランジットをこなし、バイクに乗車する。
バイク 41.4km(6周回) 58分14秒
バイクに乗車すると、ペダルをシューズに固定するための輪ゴムが切れていて、非常にシューズを履きにくく、苦戦してしまった。
どうにかシューズを履いて前を追う。一先ずまとまったグループに入るまではオーバーペースで漕ぐことにする。単独走、あるいは少人数の選手達を抜いていき、漕ぎ続ける。
そうするうちにスイムで一緒に泳ぎたかった高濱選手や末岡選手のグループに追いつく。よし、このグループで前を追おう!と仲間が出来て一安心。ドラクエでもレースでも仲間は大切だ。
1周目を終えて2周目に入り、ローテーションしながら前を追う。しかし先頭を漕いで、振り返ると他の選手は千切れたようで、いなくなってしまった。また一人ぼっちか。
仕方ないので、先ほどと同じようにオーバーペースで前を追う。やや長い追走の後、2周目の後半で前のグループに追いつく。集団の選手は上位を狙える選手達で構成されていて、まだバイクの3分の1程度しか終わってないけど、良い位置まで追い上げることが出来たようだ。しかしかなり体力を使ったようで、足の痙攣が起きる。イテテテ。一先ずこの集団で過ごすとする。
単独追走に比べるとパックは楽なので、先頭集団と距離を縮める為に長めに引きながらも、回復にあてることが出来た。集団内にはバイクをしっかり乗れる選手もいて、途中その選手があげた時に中切れが起きてしまった。こんな平地で中切れするのはローテーション乱れて良くないので、その選手と抜け出そうか考えたけど、労力と得られるタイムを考えてこのまま集団でペースを維持することを選んだ。もう脚痙攣したくないし。
先頭パックとは徐々に詰まり、バイク終了時には50秒まで縮まった。素晴らしい!パックのみんなありがとう!周回ラップで見ると、集団を追いかけている1-2周目が一番早いけど、そのペースで私が最後まで走れるとは思わないし、エネルギーも節約できたので、無理をしないで正解だったと思う。
ラン 10km(4周回) 33分45秒
安松選手が鬼の勢いでトランジットを抜けていく。整理整頓を心掛けて、ランシューズを備え付けのBOXに無駄に入れてしまったのでちょっと無駄したけど、私も頑張って前を追う。多少疲れはあるものの、自分の力は出せそうな感じだ。第一集団の選手を回収しながら、どんどん順位が上がり気分が良い。ロングのレースだとこんな狭い範囲に選手はいないからね。
2周目に入り、一気に5人くらいのグループの選手を抜く。そのうち何人かは着いてきたので精神的にきついけど、気にしないようにして頑張る。これがもう3周続くと思うとしんどいけど、今日はエネルギー出し切って走るので、気持ち強く持ち頑張るぞ。じわじわ前の選手に追いつき、後ろ着かれて、そのうち離す、を繰り返す。
最後の周回に入るころには先頭の鋤崎選手から20秒、2位の古山選手から5秒差の3位まで上がった。このまま行くと2位まで上がれそうだ。なんて良い1日だ!500m程で2位に上がり、そのまま必死にペースを維持し走る。最後の折り返しでは先頭の鋤崎選手もペースが落ちてきたようで、もしかしたら抜けるかもしれない、という位のタイム差になった。これが人生最後の本気のショートのラスト1キロだ。死ぬ気で頑張れ!と限界ペースで走る。
そしてラスト200mで鋤崎選手を抜く!ああ、これは夢のようだ。いきいき茨城ゆめ国体だもんね。なんて考える余裕もないくらい頑張る。最後のダッシュは私にはできないので、ここで離さなくてはならない。最大限にペースを上げ続け、鋤崎選手とは数メートル差が空いたけれど、ゴールはまだか!もうここをゴールにしちゃおうぜ。ダメ?限界だけど、とにかく走る。
最後のコーナーを曲がったところで後ろを向くと・・・鋤崎選手が凄い勢いで迫ってくる。
「こら、鋤崎!お前は俺の大学時代の後輩だろ!地元の先輩に華をもたせろ!」と願うものの、勝負の世界は非常なもので、鋤崎選手の段違いのスパートに完全に着いていけず、残念ながら、というのは嘘で、正直達成感でいっぱいの2位でフィニッシュ!もうやりきった!!!満足です!
ショートの実績は全くなかったのに、自分を信じてスポーツ専門員に任命し、サポートしてくださった国体対策室の方々や、松丸監督、コーチ、スタッフ陣、茨城県チームには本当に感謝です。本当に最高の1日となりました!
という訳でもうショートはおしまいだ。明日からロングの選手に戻るよ。
皆さんもIRONMANの戸原を応援して下さいね。
先日5/26の潮来トライアスロンに続き、今週もショートのレースである関東選手権を走ってきました。
関東選手権は埼玉県の渡良瀬遊水地で開催されるけれど、ここで大会を走るのは学生の時以来・・・。当時は水質が悪いことで有名だったけれど、現在はだいぶ改善されていると感じたね。
この大会は毎年秋にお台場で開催されている日本選手権の予選だけど、ショートは国体の為に活動しているので、出場の意志はなく、ドラフティングレースをシーズンの早い時期に走っておきたいと感じ出場を決めた。また、例年よりレースのレベルが高く、エリート選手が多数出場すると聞いていたこともありこの大会を選んだ。近場で手軽に参加できる関東選手権は良い機会だ。
そんな訳でリラックスしてスイムスタートを迎える。
スイム(1500m・2周回) 21分59秒
比較的早い順番でコールを呼ばれたので、一番内側の2列目に陣とる。
スタートして前列の小原選手に着いていこうと頑張る。まぁ予想通りついては行けない。そしてインに選手が多数入ってきて、行き場がなくコースロープと腕が絡まる。おぉ・・・だいぶポジションを下げてしまった。おまけにバトルの衝撃でゴーグルに水が入ってきて、ロングの癖で水抜きをしてしまった。ショートは第一ブイまで全開なのに、そんなことしてる場合ではなかった。
ポジションを大きく下げた後、これはまずいとやっと気づき、集中して追撃する。大きな集団までは容易に追いついて2周目に入ると、なぜか横に来た選手がずっと自分を妨害してくる。う〜ん・・・それはまぁここで書くことじゃないので割愛して・・・その後スイムは一度追いついた集団から40秒も離されてしまった。
バイク(40km・5周回) 54分31秒
トランジットで場所を勘違いして彷徨った後、バイクに乗車して前を追う。しかしいきなりコーナーでオーバーラン。コースを外れ、石のブロックにボコボコ乗り上げて落車すると思ったけれど、なんとか体制を立て直した。おお、ツイてるな。
少し遅れたけれど自分のいた集団まですぐに追いついて、何人か回収しながら前を追う。
前の集団とは少しずつ詰まるものの、先頭集団とは徐々にタイム差が広がっていく。
集団を引きながら20キロくらい消化して、士気も低下していく。このまま走ってもただの単独走の練習にしかならないから、ここからは集団を上手く使う練習だと思って、後続の選手にローテーションを促す。しかし、ここまで20キロ近く後ろ付き位置の集団が機能するわけもなく、数人がローテーションに加わるも速度の加減速が大きく、中々速くはならない。ああ、ドラフティングレースは難しい。スイムフィニッシュ位置が最低だった自分が悪い。まぁ今さらどうしようもないので、集団を鼓舞するよう声をかける。作戦はみんな頑張れだ。ベホイミ!
ラスト5キロで前の集団と10秒差くらいになったので、集団を置いて一人でアタックしてブリッジする。これ国体へ向けて試したかったんだよね。無事一人で前の集団に追いついたものの、フィニッシュが近いからか、ペースが遅く、後ろから自分のいた集団も結局追いついてきた。残り僅かなので意味ないけど、せっかくの機会なのでアタックをやってみる。逃げる気はないのですぐつかまってトランジットへ。
ラン(10km・4周回) 33分4秒
トランジットを終えて、重たい足を引きずって走り出すと、前方に見覚えのあるアフロの選手が走っている。あれは以前所属していたベルマーレの後輩、田中選手じゃないか。ゴールまで走るモチベーションがあまりなかったけれど、田中選手と走るのは面白そうだと感じ着いていく。
ペースは自分にはちょっと速く感じた。キツイキツイ。
1周は着いていくけれど、残り3周このペースはしんどい。先輩はもう駄目だ。田中選手は快走しているので、お別れの挨拶と激励の言葉を心の中で送って私は千切れる。とはいえ久しぶりに後輩選手と一緒に走れたことがモチベーションになり、最後まで頑張ろうと前向きになり、フィニッシュまでしっかり走った。
ロングへ向けたトレーニングの中で、バイクを漕ぎ続けた後でも、とりあえずまともに走れるので、ランは心配してはいない。ショートに向けて集中すれば自分のバイクとランは国体本番でも武器にはなるとは思うけれど、スイムはかなり心配要素だ。特に今日のスイムは最低だった。バイクの強い選手たちはスイム上位に固まっているので、一人での追走はとても難しく、自分もそこで上陸しないと非常に苦しい展開を強いられる。
これからスイムを強化し、バイクで節約、あるいは攻撃をしてランをしっかり走れる。自分の理想とする展開にする為にトレーニングに励みたい。茨城国体本番は必ずやってやるぞ!
次戦は重要なIRONMAN SWISSだけれど、スイムは最重要課題として取り組みたい。
ZOHNのチームメイトのエリカ選手が優勝!!おめでとう!
戸原は頭が上がらないので小さくなります(笑)
5月26日は潮来トライアスロンに出場してきました。
潮来トライアスロンは今年9月に茨城県で行われる国体の予選大会なので、優勝して自力での国体代表選出を目指したいところ。そして家から車で20分の地元でのレースなので、普段お世話になっている県内の方々も多数いらっしゃるので、頑張りたいレースの一つだ。
レースはノンドラフティングルールの変則距離で開催される。(スイム1500m、 バイク41.4km、ラン10km)
国体本番へ向けてスイムを強化しているので、スタートから良い位置で展開したい。
スイム(1500m・2周回) 21分1秒
フローティングでのスタート。スタート3分前からスタートラインについてプカプカ浮いて号砲を待つ。今日は真夏のように気温が上がってとても暑いので、潮来の水はとても気持ち良い。このまま浮いていたいものだ。
なんて思っていると、レースの号砲が鳴る。ああ、暑いレースが始めるのか…。
左から茨城県のエリート選手の安松選手が勢いよく飛びだす。とても着いていけないけれど、彼が作り出す先頭グループの最後尾付近になんとか付いていくのを目指す。もう少し詰めれば流れに乗れて少しは楽になるのに、それが出来ずズルズル離れる。予想はしていたけれど、パックを逃してしまったので一人でなるべく先頭集団から離されないように泳ぐ。
2周目からは周回遅れの選手でかなり泳ぎにくい。自身もかなり蛇行してしまって勿体なく感じた。ペースの合う選手もいなかったので、ほぼ一人旅でスイムフィニッシュ。先頭との差が気になるところだ。
バイク(41.4km・6周回) 1時間00分23秒
スイムアップで安松選手から1分40秒と聞く。
予想を大きく超えてはいないけれど、だいぶ差がついた。ウエットスーツを脱ぎながらバイクへと向かう。背中にあるウエットスーツの紐を探して、紐を引くと中に着ていたトライスーツの紐だったらしく、当たり前だけど全くウエットは脱げない。結局バイクの前に着いてからウエットの紐を見つけ、脱ぎ始めたのでだいぶロスしてしまった。おまけにバイクのペダルに取り付けたシューズの固定用の輪ゴムが取れて、バイク跨るときにとてもシューズを履きにくかった。ああ、つまらんミスだ。
トランジットでロスをしたけれど、とにかくバイクで前を追わないといけない。しかしどうも狙い通りのパワーが出ない。予定より15wほど出力が低く、だいぶ不安になる。ロングのように低いパワーで長く乗りたいけれど、ショートはいきなり結構上げないといけない。
しかしそれがとてもつらい、というか出来ない。とにかくリズムをつかめるよう集中する。
2周目に入りまだ差は1分20秒。
トランジットのロスであまり差は詰まっていない。3周目で差は40秒まで縮まり、4周目に入ったころでようやく前に先頭の安松選手がみえてきた。一気に抜いてあとはランまでに差を作りたいところ。安松選手はランが強いので、バイク終わりでタイム貯金を作りたいところだ。
バイクコースはエイジの選手がたくさんいて、コーナーでは必要以上に減速しなくてはならない面がたくさんあったけれど、安全に気を付けながら、漕ぐとこは漕いでいく。パワーは予想より低いものの、そこからさらなる低下はなく、ほぼ乗りはじめと同じペースでバイクパートを終えた。
ラン(10km・4周回) 33分51秒
バイク終了時点で推測1分40秒は後ろと離れていると聞く。問題ないとは思ったが、決して楽に走れるタイム差ではない。しっかりとキロ3分20秒程度で自分のペースを刻んでいく。
太陽が高くなり、5月としては非常に熱いけれど、こういう環境はとても好きだ。過去に出場したIM台湾では37度でフルマラソンを走ったんだぜ。それに比べればたいしたことはない。水分補給に注意しながら、ランを走る。対面で後ろの安松選手との差を確認しながら、ペースを作っていく。
ショートのレースが10年ぶりなので、ここでしっかりランを走り切り、今後への自信を付けたい。ある程度優勝が濃厚になってもペースを落とさないように走り続け、無事1番でフィニッシュ出来た。周回のラップで5秒ずつ程度しか落ちなかったので、良い配分で走れたと思う。
今回はノンドラフティングのレースだったので、スイムで遅れてもバイクで挽回できたが、国体本番はドラフティングレースだ。今日のようにバイクで追い上げるのは難しくなってくるので、なんとか前のパックでスイムを終えれるよう強化していきたい。そしてトランジットもショートでは特に重要なので、つまらないミスはなくさなくてはならない。
一先ず6月2日にドラフティングレースのショートの大会、関東選手権に出場するので、今日見つけた短期で改善できる点をしっかり克服してレースに臨みたい。
今年もシーズンイン!!先ずは宮古島トライアスロンに出場してきたよ。
宮古出発前の茨城県は冬に戻ったかのような気候だったので、暖かい宮古島に行くのがとても待ち遠しい。ウキウキしながら飛行機に乗り込み宮古島に到着すると、まさにそこは楽園!暖かい気候、青い海と白い雲、黒い砂糖が出迎えてくれた。どれもめっちゃ好き。
さて、昨年末に宮古島の内定選手が発表された段階では、強いウクライナの選手が出場選手者リストに入っていたため、今年は彼に勝利することを目標にトレーニングを積んでいた。
また、ライバルとなりそうな主要選手の動向はSNSでチェックしていたけれど、どうやら軒並み出場を取りやめたみたいだ。ウクライナの選手はSNSがあまりアクティブじゃないので、出場するか最後まで分からなかったけれど、宮古島に着いて大会関係者の方からその選手含め、今年は海外招待選手がほとんど来ていないことを聞く。という訳で自分にとっては逃してはならない優勝のチャンスだ。必ず勝つぞー。
例年通り楽しい宮古時間を過ごし、いよいよレースの朝!ウォーミングアップを済ませレースの号砲が鳴る!!!!
と思ったら天候不順等で15分スタート時間が遅れる。ビーチでウエット着た選手達が1500人体育座りしている光景は中々面白い。運動会でも始まるのかなー。
やることなくて暇なので、横にいた唯一の外国人招待選手のダニエルに話しかける。彼のことはイマイチ把握しきれてないので、情報収集もしたいし。
彼のお兄さんは私も知っているプロ選手で彼自身はエイジの選手だ。僕は強くないよーと今横で話してるし、記者会見でも3位が目標と言ってたし、優勝争いには加わらなそうだ。彼にはレーススタートが遅延したこと、いつスタートするか等を教えてあげた。真横にいる彼とコミュニケーションをとればバトルも起きにくいし、有益な時間だった。さて、15分経ったのでスタートしよっと。
スイム(3km:41分07秒 6位)
ウエットスーツ:HUUB AGILIS
号砲が鳴りビーチをダッシュしたらドルフィン1回。ポイントとなるスタートの練習を宮古島入り後からビーチで繰り返してきたので、腕をまわし始めるころには頭一つ抜けていた。それから後続が数人抜いてきたところで後ろに着く。前が遅れそうになったら急いで追い抜いて、前方の集団から遅れないようにする。しばらく泳ぐうちに落ち着いてきて、先頭パックに乗れているみたいだ!やったぜ。一人選手が集団から抜けだして泳いでいるけれど、NSIの西内選手、ZOHNの小池選手、ケンズの原田選手、宮古出身の親泊選手等のスイムの格上選手のうち3人以上はこの集団にいるはずだ!そして横にいる選手は腕に刺青を入れている。インドネシアの人気選手のアンディだ。彼はインドネシアの水泳選手として過去オリンピックに出場している、自分より泳力のある選手だ。2年前彼が東京に遊びに来たとき一緒にウナギを食べに行ったなー。とにかくいいパックなのでこぼれないように気を付ける。
集団の後方でHUUBのウエットスーツ着て泳いでいれば、自分より速い選手相手でも楽に泳げる。2周目も順調に距離を消化していたけれど、最終ブイを回った後、集団が左右に大きく二つに分かれて、どっち行こうか悩んでいたら、かなり遅れてしまった。ミスをしたけれど、残り短いから大きく遅れることはないし、人の後ろを泳いで抵抗を減らす恩恵もないほど前の選手と離れたので、バイクに備えてゆっくり泳ぐ。
バイク(157km :4時間4分35秒/T1含む 2位)
バイク:Factor Bikes SLICK
ホイール:CORIMA 3 SPOKE, DISC
タイヤ:VELOFLEX CARBON
サドル:ISM PN3.0
チェーン:CERAMIC SPEED UFO Chain
リアディレイラー:CERAMIC SPEED OSPW
オイル:CERAMIC SPEED UFO Drip
レースウエア:Pearl Izumi AIR TRISUIT
バイクシューズ:Pearl Izumi P.R.O LEADER V4
ゼッケン1番はトランジット位置が優遇されていて、そのアドバンテージを生かしながらほぼ先頭でバイク乗車。スタート後は雨がとても強く、不用意な落車ですべてを失わないように注意しながら漕ぎ続ける。
パワーメーターを見ると、とても良いパワーが表示され続ける。体感もきつくないのでとても調子が良い。練習でも好調だったし、たぶんいいバイクパートになるだろう。FACTORバイクの空気抵抗はとても低いので、グングン進んでいく。さらに今回バイクの駆動部にはトップ選手の使用率がとても高い、駆動抵抗を少なくするアイテム、CERAMIC SPEEDの製品を使用した。こういう積み重ねが大きな差を生むのだ。
さて、順調に漕ぎ進めて伊良部島で30キロ地点の情報をGETする。2位の松丸さんと5分差と聞き、ご近所鬼ごっこでもしてる気分になる(実は松丸さんの自宅から3キロの所に住んでいる)
スイムの差を考えると、バイクの30キロ通過時点でもおそらく後続を引き離せているはずだろう。自分は他の上位候補よりもランが得意だと思うので、かなり手堅い位置でレースしていると感じた。
その後も調子よく快調に飛ばした。沿道からはたくさんの方が後続とのタイム差を教えてくれて、非常に有難かった。特に石橋君ありがとう。タイム差は順調に広がっていき、8分程度の差までは後続と対面する東平安名崎の折り返しでさえ、誰にも遭遇しなかった。後半もヘロヘロになることなく、自分でペースをうまくコントロールして走れていると感じた。後続は13分空いているので、多少の失敗では負けないだろう。安全策に走らずランもしっかり走ってオフトレの成果を見るぞ。
ラン(42.195km:3時間10分01秒 3位)
ランシューズ:Reebok Floatride RUN FAST
序盤いつも飛ばしてしまうので、感覚としてはゆっくりめに入る。どうせ高速ペースはもたないので1キロあたり4分を大きく切らないようにして走る。シューズの選択は最後まで悩んだけれど、リーボックのラインナップで最軽量(100グラム)のモデルではなく、長距離走ることを考慮して、もう少し厚みのある上記のモデルをチョイスした。こちらも非常に反発が良いシューズなので、良い感じで足が進む。往路中盤からゆるい向かい風と登り坂で目標ペースから遅れて少し焦るけど、大きな疲労もないのでこのままペースダウンしないように走りきりたい。今日は事前の予想ほど暑さも感じないし大丈夫だろうと、身体を冷やさず快調に走る。
折り返しを過ぎてしばらく走ると、少し意識がぼやける感覚が出てきた。やべっ、と思いペースを少し緩めて次のエイドで初めて立ち止まって身体を冷やす。よし、気を取り直して頑張るぞ!ほどなくして暫定2位の竹谷選手と対面する。その辺りから私は熱中症に陥りはじめフラフラしてきた。目標ペースを意識して走るのは無理そうだ。そこは諦めよう。対面位置から考えると30分は後続と空いているので、オフトレの成果見るのは別の機会にして、優勝を決める為、安全に走る。エイドで止まって水を浴びまくってとぼとぼ走る。暑さを感じる前に冷やさないとダメだなと痛感した。残り距離は沿道の声援や対面選手の応援を受けながら危なげなく消化してフィニッシュした。
今年は招待選手の欠場が相次ぐ中でのレースだったので、現役プロの自分が負けられないと思い臨んだ。準優勝の西内さんは目の病気や多忙な仕事や子育て等の中でレースを走っているので、自分の優勝より100倍は凄いと感じる。だからこそ自分の立場だと絶対に優勝しなくてはならないのが今年のレースだった。
スイム、バイクと成長を感じられ、ランで今後の糧となる失敗を経験しつつも優勝出来たのでシーズン初戦としては悪くない内容だった。IRONMANはレースのレベルがとても高いけれど、宮古島で勝ちつつ、IRONMANのディープな世界で戦えるようにしたい。
という訳で今後も皆様、応援よろしくお願いします!
祝、IRONMAN復帰!!と言うことで、昨年の鎖骨骨折後初めて走るIRONMANレース!(昨年のコナは出てるけど、ゆっくり完走しただけ)レースの舞台はマレーシアのランカウイ島!毎年サバイバルレースとなる、高温多湿の苦しい環境は自分に向いているレースだ。
過去この大会は相性が良くて、出場3回全て上位でフィニッシュしている。5位、5位、3位と来ているので今回は1位が欲しいけれど、かなりの強豪選手が多数エントリーしているので難しそうだ。
来年コナの予選からはコナはクオリファイ形式になり、このレースには1枠のコナスロットが用意されている。来年コナの権利を持っている選手はまだほとんどいないので、優勝しなければコナには行けないだろう。私としては久しぶりのIRONMANをしっかり走り、その結果コナが手に入れば最高だけれども、コナを目的に来たというより、良い形でIRONMANを走り得られたものを、来年に生かせたら良いと感じていた。
しかしレース前日のプロ説明会では、予想していた強豪プロが複数来ておらず、もしかしたらコナも行けるのでは、と勝利に対して意欲的になった。火曜に現地入りし暑さにも慣れてきた土曜日にレースが始まる。
スイム:52分50秒
スイムウォーミングアップでバシャバシャ水しぶきを出して泳いで、それを友人にかけて遊んでいた昨年優勝のフランス人、Romainを先頭にコールが始まり、各々スタートの位置取りをする。(彼は強いけれど、潰れてランで歩くことも多い。今年はどうなるかな。ちなみに歩いているときは「アレアレ」と応援してくれる。)
自分の名前がコールされ、他の選手とはやや離れて、おそらく第一ブイまで最短の位置取りをする。その後急にレースの号砲が鳴り入水。周りに人はいないのでバトルはゼロ。少し泳いで3人くらいの集団が近くにいたので、その後ろに着く。先頭は複数人の集団、私たちはその次の集団、つまり第二パックだ。私がバイクを一緒に漕ぎたいJensは間違いなくこの集団なので、良い流れだ。このまま着いていこう。しかしペースがかなり遅い。とても楽だ。レースなのにアップのような感じで進行している。まぁ自分が先頭で死ぬ気で泳いだって、そんなペース変わらないのだろうな、バイクに体力残しておこうと思い、基本的に前の選手にリードをまかせる。
2周目に入ってもそんな感じで、とても楽。大変穏やかにスイムを終える。先頭とは4分の差で、良い感じだった。Jensも同じ集団だったので、バイクは協力して行こう。
バイク:4時間52分40秒
バイクに乗車すると、サイクルコンピューターのパワーが表示されない。何故だ、昨日まで問題なかったのに。何度かメーターのサーチをしてもダメ。ここ数年パワーに頼ってペーシングをして来たから、どのくらいで漕げばよいのか全く分からない。これはかなり不味いぞ。そしてJensはバイクに乗ってから姿を見ていない。コナ後で調子悪いのかな。後ろにいるスイス人のMullerも一緒に行くには良い選手なので、彼と頑張ろう。メーターないから誰かいないとペースを掴みにくく厳しい。Mullerは過去数回同じレース走っていて、自分と同じようなバイクの力だ。
スタートから6キロ程度漕いで左折し、モンキーゾーンに入る。ここはサルがたくさんいるエリアで、モンキーゾーンではサルに食われるから補給食を食べるな、なんて言い伝えられている。しかしモンキーよりも車の方が多く、渋滞しているところもあり、気を遣いながらすり抜けて先を進む。ここはかなり危なかった。
Mullerも先頭を交替してくれるので、頑張ろうと励ます。しばらく漕ぐと雨も降ってきて、今回のマレーシアは寒いのかな、とちょっと残念に思う。60キロ地点で先頭との差は7分弱で3位と日本の方から聞いたので、Mullerにもそれを伝えて、より一層やる気にさせる。途中ジェルボトルを落としたり(2秒で拾った)、登りでふと下向いたらリアディレイラーに枝が絡まっていて、思わず凝視したら前で停車していたおじさんにぶつかりそうになる(足着いたついでに枝を取る)ちょっとしたトラブルはありながらも、問題なく100キロを消化する。100キロの折り返しは対面なのでタイム差をチェック。先頭はRomainで8分程度2位はウクライナのSapunov。Sapunovはそれほどバイクが得意ではないはずだけれど、良い走りをしている。調子が良さそうだ。
その後もMullerとは良い形で協調出来た。彼は160キロ程度で千切れてしまったけれど、私たちの後半のペースはそんなに落ちてないように感じた。(しかし実際はとても減速していて、先頭とのタイム差は後半にかけて広がっていた。)
長いバイクパートも終わり、トランジットへ入る直前にRomainがランへと出て行った。彼がこの位置ってことは何かトラブルがあったようだ。この流れだと彼はそれほど走れそうにないから2位にはジャンプアップ出来そうだ。Mullerはランが得意という訳ではないし。
さて、Sapunovはどれくらい前だろう。とりあえずバイクに別れを告げランへ。
ラン:3時間6分8秒
T2でラン用品の袋の中身を逆さにして取り出した際、GPS時計が何かに引っ掛かり出てこなかったみたいで、そのまま返却してランスタートしてしまう。腕時計を忘れたことに気付いたけれど、戻っていられないので、今日はすべて感覚頼りにいくしかない。
世界唯一の冷房の効いた(数年前の情報、今は違うかも・・・)室内トランジットを抜けて、太陽の厳しいランコースへ。ランは2.5周回だ。
無理のないペースを心がけて軽快に走る。スタートして数キロで、日本人の方が3位だと教えてくれたけれど、それは知っているので、タイム差を聞くけど教えてもらえず。しばらく走るとその方が自転車で追い越し、タイムを先回りして調べて下さるそうだ。情報は武器になるので有難い。という訳でその後Romainと1分と教えてもらう。だいぶへばっているようなので、すぐ抜けるだろう。
7キロ地点程度で彼を抜いたときちょいと会話して、あとはSapunovだけど、彼はなんと15分も前にいるそうだ。15分は彼が潰れないと追い越せないだろう。でも2位と1位じゃ大違いだから、しっかり走ってプレッシャーをかけれるようにする。
その後15キロ地点で彼とすれ違ったけれど、やはりそれくらいの差が空いていて、彼もしっかり走れている。後続との差は拡大しているので、引き続き先頭を追いかける為に頑張る。まだ諦めるのは勿体ない。
太陽をさんさんと浴びて、1周回が終わり空調の効いたトランジットに戻る。2周目からより暑さが厳しくなってきたようで、エイドで身体を冷やす時間を多めにとる。
T1からフィニッシュ地点へと再び進み、いよいよ残り1周だ。最後のSapunovとの対面でタイム差が大幅に縮まっているのを祈る。そして30キロを終えていよいよ彼がやってきた。前回とほとんど変わらないタイム差で、まだしっかりと走れている。彼は残り7キロで、自分との差15分。優勝は彼が潰れない限り不可能なので、2位を守る走りにする・・・ペースを落してもきつさはそんなに変わらないけれど。トランジットへ戻り折り返してフィニッシュへと向かう。3位のMullerとは10分以上差があるから大丈夫だ。
と思っていると、わき腹が急に痛み出して、しかも中々治らない。本当に大丈夫だろうか・・・かなりペースが落ちてしまう。おまけに少し熱中症気味になり始め、非常に苦しい。エイドで身体を入念に冷やし、ゴールを目指す。
苦しい、気を抜くと意識が飛びそうだ。1キロで1分30秒失っても大丈夫だから、ゆっくりとエイドで止まりながらゴールを目指す。9時間のレースの残りたった30分だ!長いシーズンの最後の30分だ!と喝を入れる。非常に苦しみながらも走り続け、41キロ地点の最後の折り返しを終え、そこまできてやっと安堵できた。ああ、良かった、2位でゴール出来るんだ。フィニッシュはレースの終わりと共に1年の終わりでもあるので、非常に気持ちよくゴールテープを切れた。
2位は自分には良い結果だと思う。今日のSapunovはとても良いレースをしていて彼はコナに行くに値する。自身は良いレースとは言えず、2位になれたのは有力選手の不在によるものが大きい。とはいえ久しぶりのIRONMANは本当に素晴らしかった。アジアのみならず、世界各地のIRONMANでレースの中心で争えたら、どんなに素晴らしいだろうか。その為の努力をもっと注いでいきたいと強く思った。
2年前、このマレーシアで3位だった時以来のレースにおける素晴らしい1日だったと思う。
サポート使用機材
ウエットスーツ:HUUB ALBACORE SWIMSKIN
レースウエア:Pearl Izumi AIR TRISUITS
バイク:FACTOR BIKES SLICK
ヘルメット:KASK MISTRAL
ホイール:CORIMA 3SPOKE, DISC
タイヤ:VELOFLEX CARBON
リアディレイラー:CERAMIC SPEED Over sized
チェーンオイル:CERAMIC SPEED UFO DRIP
クイックレバー:TNI Shaved
ランシューズ:Reebok Floatride RunFastPro
1年ぶりのIRONMANシリーズ出場の為、中国の上海へと遠征してきました。上海までは成田から3時間のフライトで到着するので、沖縄行くのと変わらないくらいレベル。レースは上海から車で2時間、全長6300キロのアジア1長い川である長江に浮かぶ島、崇明島で開催されます。土地価格の高騰している上海中心部とは違い、とってものどかな島でした。まるで僕の住む茨城のようだ笑。
今回はJTUが発行する来年以降のIRONMANプロ資格を獲得できればと考え3位以内を目指しエントリーしたけれど、国体後珍しく複数日体調を崩してしまい、尚且つ2週間前に発表されたスタートリストを見る限り、参加者のレベルが高かったため、当初の目的は白紙にし、IRONMAN MALAYSIAへのトレーニングとして今大会を組み込むことにした。
およそ1年半ぶりに走るIRONMAN70.3、この場に戻ってこれて嬉しい。頑張るぞ!
そしてレースの朝がやってきた。準備でトランジットにいたらドイツのプロ選手に輪ゴムないかと聞かれる。余分にいくつかあったので、彼に分け与えるととても喜んでくれた。ふむ、良いことをした。その後、プレゼンテーションが終わり、スイムスタートエリアに移動する。
スイム 27分29秒
ポンツーンでのスタート。国体でこの方式でのスタートは上手く行ったから大丈夫、と言い聞かせて号砲を待つ。大丈夫、大丈夫、なんたって今日はHUUBのNEWウエットスーツ、ブラウンリーと共同開発して作ったAGILISを着ているからね。
左側に自分が入りたい集団を形成するであろう選手が固まっているのでダイブをして入水後はそちらに移動する。ウム、上手く行った。と思いきやダイブの衝撃か、ゴーグルがずれて少し水が入ってくる。視界が非常に悪くなってしまったが、実力者の集団に入るには水抜きしている場合ではない。懸命に泳ぐ。たった10m前方に集団がいるのに詰め切れず、間隔変わらずしばらく推移し、徐々に離されていく。ああ、集団に乗れなかった。
その後は一人で泳ぐ。途中数回水抜きして、その際ペースが緩むと誰かが自分の足を触ってくる。けれど前には来ないので、終始一人で先頭を泳いだ。スイムアップ付近で横に選手が何人か出てくる。前の集団は1分30秒前と絶望的な状況だ。トランジットへの移動中に先頭と4分と聞く。恐ろしいほど開いたけれど、WTS(World Traiathlon Series)でも先頭付近泳げるショートの選手が出場していた。ロングのスイムの強い選手の集団とは3分の差。どちらにしろ良いスイムではなかった。
バイク 2時間10分38秒
スイムアップは4―5人の集団で、トランジットでばらけて集団の2番目でバイクを乗車した。
最初の1キロは大きな道路へ行くまでの細い道が続くアプローチ。コーナーの減速を利用してシューズを履いてロスを少なくする。大きな道路に出て、横からイタリア人の元クイックステップ所属のプロ自転車選手、Domenico Passuelloが勢いよく抜いてきた。それは遠い昔の話さ、と彼は言ってたけど、バイクはやはり強い。自分の前にいる輪ゴムをあげたドイツ人は一時的にペースを上げたので、自分も同調して上げる。しかしDomenicoから徐々に離されていく。私も彼のバイクペースはキツイだろうと思い、追走しなかったけれどこれはミスだった。パスの瞬間は後ろつけられるのが嫌だからペースを上げるもので、徐々に落ち着いたと思うし、彼と平等に先頭交替するのは難しくても、このフラットで風のないレースで後ろ入れば、簡単には千切れなかっただろう。
というのもドラフティング効果は実は12m離れても大きく残り、そのあたりの感覚が久しぶりのIRONMANだったこともあり忘れていた。今回の出場選手それぞれバイクの実力はかなり違うけれど、ドラフティングレースのようにほぼ誰も集団から千切れない、そしてパックでバイクのペースが決まりラン勝負の展開だった。スイム遅れた私はその時点で勝負の土俵から降りていたと思う。だから挑戦的な意味でもDomenicoについていくべきだった。(終わってみると彼でさえ集団よりも遅いバイクラップだった。)
まだバイク3キロ地点だけど色々と書いてしまった。前のドイツ人のペースは少しゆっくりに感じたので、すぐにパスして先頭で漕ぐ。20キロ地点で3分前の先頭パックから落ちてきたオーストラリアの選手を抜く。20キロで3分詰めるのはバイク力に大きな違いがあるからだけれど、彼は私のパックの後ろで一度も前を引かず、しかし車間はしっかり開けて最後まで着いてきた。IRONMANは早くドラフティング車間を20mに変更すべきだと思う。個々の力が出た方が面白いし公平だと感じる。IRONMANはノンドラフティングじゃなくて、セミドラフティングが現状だ。
その後折り返し後にエイドをとっていると後ろのドイツ人が前に出てくれた。後ろに下がり彼と協調するか、自分がすぐに前を引くか、どちらに利益があるか考える。一先ず先は長いし、少し後ろで休むことにした。少し休んでからまた前に出て10キロほど漕いで、橋の僅かな登りで意図的にペースを落とすと、また彼が前に出てくれた。輪ゴムのお礼さ!!とは言わなかったけれど協調してくれるみたいなので、もっと短い間隔で前を交替しよう、頑張ろう、と声をかける。
どうでもいいけど「交替しよう」、と変換したら「皇太子用」と変換された。気品があるわね、僕のパソコン。
ドイツ人の彼とは非常に良い関係で協調できた。しかし60キロ地点程度でエアロポジションとりながらサドル後ろのボトルを取ろうとしたら、お腹が痙攣してしまう。かなり酷く攣ってまともにバイクを漕げなくなり、車間が30m程度に開くと後ろのオーストラリア人が慌ててダッシュで私を抜いてドイツ人に着いていく。そんな力が残ってるなら前引いてくれー。痙攣はすぐにおさまり先ほどと同様にドイツ人と協力しながらバイクを終えてランへ。
ラン 1時間16分10秒
ランに入ると先頭と8分程度の差と聞く。先頭集団は大勢でラン勝負な感じだったので皆走れそうだ。もう上位は無理だろうけれど、マレーシアへ向けて気合入れてしっかり走るぞ。
ランは7キロ程度を3周回、3分25秒ペースを目標に走る。まぁこのペースの維持は無理だろうけれど。最初の1周はだいたい予定通り。2周目から少しつらくなり、10キロは34分50秒くらいで少し落ちる。その後は脚の痙攣で力を徐々に失う。でもレースで痙攣するのは毎回だけど、いつも誤魔化して走れるので今日も大丈夫なはず。
少し力失っても何とか頑張る。2周目は3分35秒くらいで順調にビルドダウン。3周目はさらに苦しく3分45秒かからないようにするのが精いっぱい。何人か抜いたけれど順位は圏外なので意識せず、ペースをこれ以上落とさないでしっかり走りきることを目標にする。
耐えていれば終わりは来て無事フィニッシュした。スイム遅れたのがすべてだったけれど、上位はランもかなり速かった。70.3の距離を戦うには私はまだまだ弱すぎるな。
フィニッシュ後ホテルに戻ると、一度掲載されていた自分のリザルトがなぜか失格に変わっている。失格になる心当たりはないので理由を問い合わせているけれど、プロにとってある程度上位じゃなければ順位は何番でも大きな違いがないのが実情。何か自分がミスをしていて、その結果失格になっていたとしたら反省しなければならないけれど、いずれにせよ気持ちは11/17のIRONMANマレーシアに完全に向かっている。
今回の遠征ではワンダスポーツの皆様、中国大会日本語事務局の雨宮さんに非常にお世話になりました。本当にありがとうございます。来年も必ず中国の大会に戻ってきます。
サポート使用機材
ウエットスーツ:HUUB AGILIS
レースウエア:Pearl Izumi AIR TRISUITS
バイク:FACTOR BIKES SLICK
ヘルメット:KASK MISTRAL
ホイール:CORIMA 3SPOKE, DISC
タイヤ:VELOFLEX CARBON
リアディレイラー:CERAMIC SPEED Over sized
チェーンオイル:CERAMIC SPEED UFO DRIP
クイックレバー:TNI Shaved
ランシューズ:Reebok Floatride RunFastPro
10月7日に開催された福井国体トライアスロン競技に、茨城県選手代表として出場しました。
この大会はインカレ以来のショートディスタンス!久しぶりのショートのレースにドキドキ。だけど台風25号の影響で距離はスプリントディスタンスへ変更となりました。長いレースの方が得意なだけにスプリントへの変更は残念だけど、ここでハイスピードに苦しんでおけば、ロングのレースはエンデュランス、耐えるだけに感じるはずだ。
大会当日は朝食に食べた鮭が歯に挟まり、ティッシュで取ろうとしたら鮭だけでなく、差し歯も取れるというハプニングに見舞われるものの、その他は順調に準備が進む。ロングと違い午後からレース開始なので、時間と気持ちに余裕を感じることができた。女子のレースが終わり、いよいよ男子のレースが始まる。
スイム 750m
県代表同士2列に並んでのポンツーン。同じ茨城県代表の高根選手の方が泳力があるため、私は後列でスタート。ダイブした後は特にバトルもなく、穏やかに、しかし高速で第一ブイを目指す。
感触は悪くはない。丁度良い選手達を見つけ、離れないようにする。私はヘッドアップをしないとすぐに方向がずれてしまうので、頻繁にヘッドアップをする。多少エネルギーを使っても大きなロスにならないようにする。ヘッドアップを入れてもこの集団で泳げるだろうけど、大きくそれてしまったら復帰できないからね。
かなり落ち着いて泳ぐことができているように感じた。実際のタイム差も想定通りで悪いスイムではなかったと思う。この後恐怖のトランジションだ。絶対遅い自信あるよ。
バイク 20㎞
スイムから上陸すると、雨が降っていて驚く。転ばないようにしないと。バイクに乗車し、先ずは前を追う。
バイクでどこまで前に上がれるかが重要だ。選手を抜いて、抜いてを繰り返し、大きな集団を抜いたところで、集団が自分についてきたので私も集団の一員となる。しかし、この集団、漕げる人、漕げない人がローテーションしてしまったため、減速と加速を繰り返し中々ペースが上がらない。前との差が大きく開くわけではないけれど、全く縮まらない。
第一集団とは1分以上遅れているので、このままラン勝負では上位は厳しいのは分かっているけれど、この状況を打破できない。結局思うような展開を作ることが出来ないままトランジットへ。
ラン 5㎞
トランジットでシューズを履くのに手こずり、先頭でバイクを降りたのにランスタート時には集団の選手は40m前方でとても萎える。そしてとても苦しい。でも苦しい状態でも耐え続けるのが自分の持ち味なので、スピードは上がらなくても、ひたすら耐える。
トランジットを先に出た集団の選手は何人か抜いたものの、その中の走れてる選手とは差が詰まらない。そして前を行くバイク第一集団(私の集団は最終的に第二集団だった)の選手達は20-30人程度と、人数も多いので順位争いには加われないだろう。だけどこれが終わればしばらく短い大会は出ないので、精一杯走る。ランパートで順位は大きくは上がらず20位でのフィニッシュとなった。
1位 佐藤錬(福井)55分01秒
2位 小原北斗(鳥取)55分12秒
3位 池田康智(広島)55分14秒
・・・
20位 戸原開人(茨城)56分33秒
スプリントのドラフティングレースは普段の長い単独走レースと違い、持ち味が活きず大変難しいレースだけど、来年茨城国体では上位に入りたいと考えている。福井国体で自分の能力の低さが分かったので、1年をかけてロードバイクと集団走行を学び、加減速やトランジットの能力、ランのスピード、何よりスイムの泳力を身につけたい。
そのうちいくつかはロングにも繋がってくると思う。自分の目標や夢、モチベーションはロングにあるけれど、福井の選手が地元福井国体で活躍したように、自分も茨城国体では入賞を目指して頑張りたい。
今年のレースは10月21日の70.3上海と、コナの権利獲得に向けて非常に重要な11月17日のIRONMAN MALAYSIA。最後の準備を進め、万全の状態で臨むぜ!
今年の夏はロングトライアスロン日本選手権出場のため、6年ぶりに佐渡島へ遠征してきました。2013、14年はIRONMAN JAPANへの出場、15年からはコナを目指し、その予選年度の開始時期が8月末なので、IRONMAN第一戦に集中するため佐渡には中々出場することができませんでした。
今年はコナを目指していないし、独立初年は国内大会をメインに考えていることから、ナショナルタイトル獲得を目指し、佐渡への参戦を決めました。
最後に出場した2012年のこの大会では山本選手や高濱選手に続いての3位。この2人がライバルになると感じていた。あれから6年も経ち、ロング大会で経験を積み、年齢的にもピークへ向けて成長しているので、今回は自分が勝利しなければならない。落とせない大会なので準備をしっかりして、まずまず良い状態を作れたものの、自信と多少の不安が交錯しながらスタートラインについた。
スイム2キロ (絶対長いよーー!!!)
浜の上からスタートラインの号砲と共にダッシュ! 浅瀬なのでドルフィンで進むうちに多少リードを作ることができた。
スピードのない自分としては、スイムのダッシュが苦手なので、泳ぐ前に先行できたのは非常に大きい。ドルフィンのリードを潰しながらも集団の最後尾に難なく潜り込めた。山本選手やスイマー選手はこの集団の前を泳いでいるようだけれど、この集団の大部分は自分よりも優れた泳力の選手達だと予想されるので、このまま離されないようにして泳ぎ切りたい。
しばらく泳ぐと私の一つ前を泳ぐ平松代表が遅れ始めたので、横抜いて集団を追いかける。すぐに前に追いついたので、このまま最後までついていけそうだ。
今回他の選手はスイムスーツを着用していなかったけれど、私はHUUBのスイムスーツを着用していたので、これが大きなアドバンテージになり、集団に潜り込む大きな助けとなったと思う。その後もそれほど消耗せずスイムアップできた。トランジットで高濱選手や浅海選手を発見。上手く泳げて良かった。山本選手との差は2分ピッタリ。ラン勝負は避けたいので、バイクの小木坂の前ではパス出来るようにしたい。
バイク108キロ (昔は105キロだった。まぁバイク長くなるのは歓迎だ)
乗車してすぐに集団の選手をパスして、前を追う。オーバーペースにならないようにレース全体を通して一番早く走れるように心がける。
10キロ地点くらいで2位に浮上し、あとは山本選手だけが先行している状態。差が詰まるのを期待して漕ぐ。自分のペースも設定通りだ。大丈夫なはず。
しかし、20キロ地点で先頭とのタイム差を教えてもらうと、まだ2分の差のままで全く縮まっていない。少し心配になったけれど、このまま自分のペースを守り、経過を待つ。
海岸線に入って、多少前が開けても先頭が全く見えてこないので、ヤキモキしながら登り坂を漕いでいると、横から井辺選手が抜いてきた。めっちゃ驚いた。たぶん同じ集団でスイムアップしたと思うから、ずっと自分の後ろを1時間近く(離れて)追ってきていたようだ。彼は上位に来るとは思っていたけれど、バイクスタート直後ならともかく、このタイミングで抜かれるとは思っていなかった。自分のペースが遅いのかと思ったけれど、パワーは出ている。彼がガッツを入れてオーバーペースで漕いでいると思うことにして、平常心で漕ぐ。自分の出力を1時間維持するのは彼なら出来るだろう。おそらくこれから失速するから、前を追うことに集中する。
って書くと冷静だけど、レース中はマジでビビりました…。そういえば自分もロング駆け出し中はガンガンいってたな、若者はこうでなくちゃね、とオッサンは思うのでした。
ファイターの井辺選手を抜き返した後も、ひたすら先頭を追う。差は1分程度になり、開けた場所では先頭車両を確認できるものの、思うように縮まらない。
しかも65キロ地点で栄養補給のジェルが詰まったボトルを落としてしまった。直ぐにブレーキをかけて引き返す、冷静な判断ができたものの20-30秒簡単に失ってしまった。これ詰めるのどれだけ大変なんだよ・・・。
その後は比較的差が縮小傾向にあり、小木坂の中腹で山本選手に追いついた。このアップダウンで離したいので、ペースを上げ、350W程度で坂を上り、下りもスピードに乗せて、もう一度登りを上げた。この後の下りで少し休んで最後の平坦でもう一度頑張ろう。ランまでに貯金を作ることが大切だ。サイドバイサイドの争いはしたくない。最後の平地もまだ足は残っているのでしっかり漕いで、トランジションへと突入。
バイクセクションデータ: Ave speed 40.2km/h(実測) \ Peak average power 5秒:417W, 1分:359W, 5分:325W
ラン21.1キロ
トランジットを出た後迂回して、トランジットへと向かうバイクとしばらく対面しながらランを走る。迂回後すぐにトランジットへと向かう山本選手に会う。ここで対面できたのは大きい。もう800mは走っているので、差は4-5分ある。これなら潰れない限り心配ないだろう。
高温でエイドも少ないのと、足が痙攣しそうな気配があるので、無理をしないように、しかし集中する。キロ3分40秒のランペースだと思って距離を消化していく。これなら先ずリードも守り切れるし、レッドゾーンではない。自分が練習でよく取り入れる、慣れ親しんだペースだ。後続との差は確認できないけれど、沿道から差は広がっていると聞けたので、安心した。
その後は、最後までしっかり走ってフィニッシュ出来た。日本チャンプになれて嬉しいけれど、そのタイトルを持ってどうしたいのか、が大事。世界はビビるほど速いけれど、自分も獲得したタイトルの助けを得ながら、活動をさらに整えて、世界挑戦への準備をしたい。
北欧デンマークで開催された国際トライアスロン連合(ITU)主催のロング世界選手権に出場しました。
私の目標レースはIRONMANで、今まで短い距離の大会に力を入れているITUの大会に出場することは少なかったけれど、今回はJTUが決めたIRONMANプロライセンスの基準を満たすために出場を決めました。トップから10%以内のタイムでのフィニッシュでプロライセンスが承認されるのでそれが目標。今は国内大会回りながら実力高めるのがメインで、世界戦で着順競うレベルに達していないと思っており、世界戦への出場意義は微妙だけれど、プロ資格はここで獲得しておきたい。
スイム 3キロ
流れの弱い川でのスイムスタート。水質は中々の濁り具合で気持ち悪いぞ。バイクコースは平坦で風も強く、単走で走るのはとてもタイムロス。ドラフティング車間守りつつも、パックになって先頭交代しながら進んでいくだろうと予想される。スイムで集団逃すとキツイ展開だろう。
フローティングからのスタートは上手く行き、パックの後ろになんとか潜り込めたけれど、徐々に遅れていき孤立。前はとても大きな集団で、自分の周りにはちらほらと選手がいるだけ。スタート5分で良くない感じ。折り返し前に先頭手段との差を確認するとかなり開いている。スイムアップでの4-5分差を予想していたけれど、もっと悪いのではないか。折り返し後もひとつ前のパックは見えるけれど、200m以上先行していて、バイク序盤飛ばして追い付くのも無理そうだ。結局7分と先頭から大きく離されスイムアップ。
バイク 121キロ
スイムアップタイムが同じくらいの選手を抜いて、1分ほど前に良いペースで漕いでいる選手を確認。合流するため飛ばすか考えたけれど、結局マイペースで走る選択をした。
6月に出場した同じ距離の大会、バラモンキングが良い感じだったので、その時のペース配分を意識して走った。ほとんど選手を見かけない寂しいバイクパート。65キロ程度で先頭とすれ違い、差は11分-12程度でスイムアップからさらに4-5分離されてる。バイク終了時18分程度に抑えたい。しかし、後半60キロは全く足に力が入らなくなり、漕いでもパワーがでなくなる。特に予兆はなかったけれど、ヘロヘロになってしまいサイクリングのようなパワーメーターの数字を見て悲しくなる。結局前半ハーフと後半ハーフで50Wも下がり、平均出力も同じ距離のバラモンキングと比べ20Wも下がってしまった。とにかく最低なバイクパート。大きく遅れトップから10%すら入れなそうだ。
ラン 31キロ
4周回のランで、私が走り始めると先頭が2周目に入ったようで追い抜いてきた。
もう辞めたいレベルのタイム差だけど、ついていければ10%には入れそうだ。とはいえトップのランはとても速い。1周粘ったけれどついていくのは不可能なので、この大会でのプロ資格獲得は諦めることにした。そうなるともう走る意味は分からなく、最低レベルのレースにがっかりしながらゴールまで走り21位でレースを終えた。
低めの目標を設定し、確実にそれは達成できると思っていたけれど、結果的にそれすら逃してしまい非常に情けない。もう一度自分がこの競技で何を達成したいのか考え、それに向かって本気で動いていかないと。世界で戦う・・・口で言うのは誰でも出来るし価値がないから、パフォーマンスを上げてレースの走りを見せて、本気で取り組んでいることを感じてもらえるようにしたい。
先週6/17(日)は五島長崎国際トライアスロン大会エリートの部(スイム2キロ、バイク124キロ、ラン21キロ)に出場してきました。
シーズン中盤のこの時期はマストなレースがなく、スケジュールを自由に立てやすいものの、あまり自由に活動しているとJTUが発行するIRONMANプロ資格基準を満たせなくなるため、来年もプロ資格を維持するための活動をすることにしました。来年IRONMAN出れなくなるのは困るからね。一番自分の活動にマッチする方法で資格を満たせるのが来月デンマークで開催されるITUロング世界選手権。なのでその予選になるこの大会への出場を決めました。
バラモンキングの出場は4回目なので、諸々レースを走るにあたって必要なことは把握していて、ストレスが非常に少なく、気持ち良く大会に臨むことが出来ました。
昨年の怪我からパフォーマンスが中々戻らなかったが、近ごろトレーニングでは調子が上がっているのを確認していたため、レースでもレベルアップを確認し、確かな1歩を踏み出せたことを実感したいところ。
それはさておきレース始まるよ。
スイム 2キロ(スイムラップ:26:46)
穏やかな福江島の漁港でのスイムスタート。スタート後上手く先頭集団に滑り込んだものの、浅海選手が後ろに下がってから誰も先頭を引かなくなったのでペースが落ちる。HUUBのウエットスーツを着ていたので、ほとんど浮いているだけに近いような状態もあった。
スイムは他の選手の方が力あるし、後続を離したいとより強く思うのは他の選手だし、後ろ着くのは先頭泳ぐよりも良い練習になるし、自分が前を引く理由がないので、誰かが積極的に前を引くのを待つ。そうこうしているうちに井辺選手が前に出て引き始めたので、小休止は終わりにして泳ぎ始める。なんと前を泳ぐ浅海選手はキャップがとれたようでドンマイだな、と後ろで思っていたら、今度は自分が髪が邪魔で前が見えなかったらしく、若干前の選手と差が開いてしまっていた。とはいえすぐ前方に選手は皆とらえているので問題ない。
この差ならバイクで身体が乾くころには先頭になれそうだ。キックもほとんど打たず、かなり節約して泳げたと思う。
バイク 124キロ(バイクラップ:3:15:51)
トランジットでバイクへ向かい走りながらヘルメットをつけるのを咎められて、ちょいタイムロス。バイク乗車後5キロ地点くらいで若い井辺選手を抜いて先頭に立つ・・・立つっていってもどちらかと言うとサドルに座っているので、先頭に”座る”かもしれない。へへへ。
それにしてもバラモンキングエリートの部は高齢化が進んでいたため?!、今年は若い選手が盛り上げてくれていい感じね。と思うのは自分も年をとったからだろうか、とキーボード叩きながら感慨に浸る。
コース上ではAタイプの選手と混走するため、事故に気を付けながら調子よくバイクを進めた。スタートして45キロ程度の対面折り返しではAタイプの選手に紛れてしまい、後続との差は確認できなくなった。しかし良い感じで漕げているので、バイクの後半でもこのペースを維持することに集中する。距離を消化していっても、パワーはほとんど落ちず、かなりイーブンペースで漕ぐことが出来たようだ。108キロ地点にある対面折り返しでは2位の選手と10分以上の差が確認できたので、後半にかけて大きく差は開いていったみたいだ。
124キロの旅を終えてトランジットへ。
ラン 21キロ(ランラップ:1:19:16)
トランジットを終えてランの出だしも良い感じだ。序盤は少し早めに飛び出してしまったものの、すぐにペースを落とす。気温が高いので無理は禁物だ。後続とはタイム差があるが世界戦も近く、この大会がそれの良い練習にもなるため、ペースを落とさないようにしてきっちり走って1位でゴールしたぜ。
レース全体を通してイーブンペースでいけたのは、上手にレースを走れた証拠で、自信につながるし、自分の調子が上向きになっているのを感じた。このまま右肩上がりで成長できるようにしたい。来月の世界選手権は展開にも左右されるけれど、同じようなペース配分で、そしてもう数%出力やスピードを上げてレースが出来るようにしたい。
先日6/27(日)に茨城県潮来市で開催された2019年茨城国体のリハーサル大会に出場しました。
大会距離はスプリント!普段の8時間の長丁場のレースから、1時間のドラフティングOKなスピード勝負へ。ミドルより短いトライアスロンの大会は学生大会以来、8年ぶりの出場。どんなレースが出来るか分からないけど、今大会はリハーサル競技ということで、出たとこ勝負でリラックスして臨みました。諸々の失敗をフィードバックとして、次戦に活かしていこうという訳ね。
朝のエネルギー補給
潮来市は現在の住居の隣町!という訳で朝は落ち着いて自宅で食べたいものを調理して食べました。
ロングのレースは炭水化物中心に、タンパク質と脂質もしっかり撮りますが、今回は1時間で終わるレースですので、グリコーゲンローディングはほどほどに、朝食も200g程度のパスタにココナッツオイルとトマトソースをかけて食べるのみ。もしロングのレースならパスタをさらに150gに卵2-3個のスクランブルエッグも追加したでしょう。さて、レース前にジェルも1袋摂取し、いよいよ号砲が鳴る!!
スイム750m
朝7時30分からのレーススタート。最初のダッシュがかなり早い。そりゃあスプリントだもんな。
何とか集団の最後尾で粘っていると、しばらくして急に呼吸しても酸素が入ってこなくなる。ペースを落としても症状が治らないため、いったん落ち着くために小休止。落ち着いてから泳ぎ始めるも、集団はもう遙か彼方へ。たった750mで2分遅れてスイムフィニッシュ。
バイク25.2㎞(8.4㎞×3)
トランジットで手こずり、さらに数秒遅れてバイク乗車。とにかく前を追わないと。今回は福井国体の茨城県代表選手選考会も兼ねているから、それには選出されなくてはならない。スイムで遅れた2分差のままランに入ったら予選敗退必至だ。とはいえもう15W、望んだ出力が出ない。
スイムからバイクの移行練習や、ロードバイクでのポジションをもっと煮詰めないと。なんとか姿勢低くして漕いでいると、1周目を終えて50秒程度の差になりひと安心。2,3回後ろの選手にもローテーションしてもらい、休みながら引き続き前を追う。最終周回に入ってすぐ集団をとらえ、無事先頭に追い付いた!と思ったらさらに前に二人逃げていると聞いて萎える。そのまま休みたいから集団でまったり漕いでバイクを終えてしまった。
集団の後ろに入れば200W前後で休めるけれど、ペースは落ちる傾向にあったと思う。最初から個人TTをやるぞと強い決意と、そしてそのための練習が必要に感じた。
トランジットはまたもや数秒ロス必至で、集団の皆に取り残されてランスタートはテンション下がるので、バイク終わりで少しペースを上げて集団の前でバイクを終えるようにした。
ラン5㎞
予想通り遅いトランジットを終えて・・・ランスタート。ペースが上がらない。70.3のランとあまり変わらないような走りだ。きついけれど、たぶんもう5㎞距離が長くてもペース変わらないのだろうな・・・。冬場のデュアスロンの時はもっと走れたと思うけれど、シーズン入ると身体が高いスピード、出力を上手く出せなくなっているように感じる。結果としてはひとまず全体3位でゴールし、国体の出場権は手に入れた。
総括すると情けないレースだったな、というのが率直な感想だ。
こんなパフォーマンスでは国内の有力選手が集う国体はとても戦えるレベルじゃないのは間違いない。とはいえ自分のロングの大会への情熱やノウハウを上手くショートにも共有させ、準備をしっかり行えば、面白い結果も残せるのではと感じている。福井国体、そして来年の茨城国体では自分のミッションとして、良い成績を上げるようにしたい。
今年も宮古島トライアスロン(Swim:3km, Bike:157km, Run:42.195km)コースマップ に出場してきました!
スタートラインに立つときは諸々不安しかなく、どうなるかと思っていたけれど、2位で終えることが出来てホッとしてます。パフォーマンスは練習面やレースを振り返っても、優勝してた頃より劣るけれど、強くなるのはこれからって訳さ。では早速レースを振り返りましょうかね。
ナーバスなスタート前の時間が終わり、スタートの号砲が鳴る。目標は優勝候補のキャメロンのパックでスイムを終えること。最近の泳力的に、たぶん遅れるだろうな、と思っていたけれど、予想の2倍増しでスイムは悪かった。泳ぎだしからスカスカな感じがして、全く上位陣のパックについていけない。強豪選手のキャメロンとサイモンが2人同じパックで上がり、バイク序盤を一緒に走らないよう祈りつつ、集団の後ろの方で泳ぐ。ヘッドアップをしても確認できないほど、先頭は遥か彼方に行ってしまった。さようなら。
スイムを終えて先頭5分、キャメロン3分と聞く。そんなに遅れるか…。がっかりだけれど、一人で頑張るしかない。今年は例年とは違い、風の穏やかな伊良部大橋を渡り、島内を1周する。その間先頭とのタイム差を聞いて、かなり開いていることに驚く。キャメロンとはそれ程差が開いていないので、先頭のサイモンのペースがとても速いようだ。
伊良部島巡りが終わり、お次は池間島へ。島を堪能できるバイクコースだね、そんな余裕ないけど。池間島手前からすでにパワー低下が始まる。不安はあったけれど、ここまで弱いのか。差は大きく開き、レース序盤で既に10分の差。後ろから来たダミアンに、一緒に行こうぜ、と言われても全くついていけない。しょぼいパフォーマンスに嫌気がさしてきた。おまけに雨も強くなり、周りが暗くなり、気持ちもダークな方向へ向かっていく。という訳でポジティブな新しいモチベーションを探す。
新規活動の初戦、なんとかまともな結果は残さないと、我慢しろ、このまま走りきれば3位にはなれる。辞めるよりはずっといいはずだ。OK、3位だ、3位を目指そう。とにかくレース続ける気持ちを作り、パワーが低値をさらに突き抜けることがないよう辛抱する。ロングは我慢のスポーツだぜ。その後も差は広がり続け、先頭とは20分近い差をつけられる。まぁ今の目標は3位だ。ダミアンとの差はいかほどに?
トランジットで3位と7分差と聞く。随分開いたな、とはいえ宮古のランパートはきついし、問題なく追いつけるだろう。自分の調子も良くなさそうなので、予定よりさらに安全運転で繰り出す。優良ドライバーの鏡だぜ。行きは強い向かい風なのでタイムは一切見ないで、時折心拍だけ見て落ち着いて楽に走れるようにした。
タイム差を聞いていると折り返し前には追い付きそうだ。14キロ地点くらいでダミアンに追い付き新目標の3位に浮上。余力を持って走って、この位置は最低限確保することにする。2位はキャメロンで、彼は先頭に追い付くだろう。先頭のサイモンとは大きく差がつまらないし、リスク追ってまで追いかけるタイミングじゃないな。19.5キロ地点くらいで先頭のサイモンと、その後方20mくらいにいるキャメロンとすれ違う。この位置でしかレースできないのは情けないぜ。
折り返しをすぎてから対向のダミアンとの差を見て、結構開いていることを確認。心拍をさらに3-4拍落として、より安全な方向で走る。しかし、応援、対向の選手から、サイモンが歩いているぞ、追い付ける!と耳寄り情報を何度も教えてもらう。自分の余力も十分なので、ペースをあげて2位にチャレンジしてみることにした。そりゃあ3位より2位のほうがいいでしょうよ。後半になっても良く脚が動き、30キロ地点では8分差、35キロ地点では2分程度に縮まり、これはいけそうだなと思い始める。次の角で見えるかな?次はどうだとろう?とカーブの度にサイモンの姿をとらえるのを楽しみにしては、がっかりしていたけど、38キロ地点くらいでようやく追いつき、2位に浮上出来た。あとはゴールまで宮古島を堪能しながらフィニッシュだ。
フィニッシュ直後は、内容の悪いレースにイライラと情けない気持ちが強かったけれど、今年の宮古はなんとか乗り切る、辛抱のレースになると思っていたこともあり、今は冒頭の通りホッとしている。
キャメロンは実績的にもちろんナンバー1。ただサイモンは6時間30分の間はレースの主役で、バイク後も優勝に挑戦できる位置にいた。だからそれに挑戦し、結果的に失速して3位になったけれど、彼の3位の方がずっと私のレースより価値があると個人的には思う。もし無難に2位を守ろうとしていたら、彼が2位だった。ドイツから遠く離れた大会で、彼にとっては2位も3位も変わらないけれど、キャメロンに勝っての優勝なら全く意味が違うから、少々オーバーペースでも勝利に挑戦したんだと思う。
サイモンは数年前までIRONMANで戦っていたけれど、今はドイツで先生をしているみたい。そんな訳で1ミリも勝った気がしないけれど、私にとっては自国の、スポンサー向けにも一番大きな大会で、キャメロンの次点になれたのは良かったと思う。彼に勝ったと本当に言うにはIRONMAN NZで勝たないと駄目だけど、宮古では来年出場したら勝利を目指したい。
シーズンはまだまだこれからで、自分の調子もどんどん良くなっていくと確信している。これからをお楽しみに!