2018.06.13

トライアスロンバイク輸送のノウハウ 現在最安?!のヤマト便を活用した離島レースの準備(2018/6現在)

今週末は長崎県五島市(いわゆる五島列島)で開催される五島国際トライアスロン・・・通称バラモンキングでですね。
離島トライアスロンに参加するにあたっては、欠かせないバイク輸送のためのパッケージング。恐らくこれからの宅配業界の状況から考えても、益々この作業を必要とする選手が増えることが予想されるため、今回の自分自身がバラモンキングに向けて実施した奮闘をコラムとして共有したいと思う。
自分はバイクの輪行および輸送ではこれ以上の便利さはないと満足しているSciconのヘビーユーザー(壊れすぎるキャスターの交換必須ですが)。今年も昨年同様の西濃運輸のカンガルーイベント便でのバイク輸送を考えて、いつもどおりレース2週間ほど前に申し込めばいいやと気軽に構えていた。

カンガルーイベント便は、他のサービスと比べ数日早めの集荷が必要であるのと多少料金は高めであるが、往復のサービスであり(帰りは特に手続きなく梱包して指定場所においておくだけで運んでくれる)イベントによってはトランジションエリア側まで輸送してくれるという非常に便利なサービスである。
がしかし・・・大会2週間前の6/3に申し込みサイトにアクセスするとなんとすでに募集が終了しているではないか。なんと5/20から申し込み開始にも関わらず5/22という僅か二日を待たずしてクローズしていたようだ。
が〜ん・・・なんで??と思って調べると、昨年からその他の様々なバイク輸送サービスにサイズ制限が加わりSciconの取り扱いができなくなってしまっていた。結果的に自分が調べる限り現在Sciconで離島にバイクを送ることができるサービスはカンガルー便しか残っていない。つまりSciconで送りたい人はみんなここに集中してしまったのではないかと推測される。

やばい・・・五島には長崎港からの島への移動に使うジェットフォイルと呼ばれる水中翼船がバイクの持ち込みを禁止しているため、自走では持ち込めないという制約がある。急遽他の輸送方法を検討しなければならなくなった。
いろいろ調べた結果、費用的にはCJ+という会員になり、クロネコヤマトのヤマト便で送るという選択肢が最も低価格で輸送できることが分かった(2018/6現在)。しかしまたこのサイトが無茶苦茶分かり憎い・・・まぁそういう古い組織なんでしょうからしょうがないけど、この手の文字だらけのサイトを見るとそれだけで戦意喪失するよね。
集荷までのプロセスを集約すると、
CJ+に入会する → ヤマト便に電話でヤマト便の伝票依頼と集荷日を連絡する → 伝票番号を入力してCJ+のクーポンを出力する → 集荷時にクーポンをみせる
という流れになる。ただCJ+のクーポンについてはヤマトの便の集荷担当も良く知らない事があるのでそこは要注意である。気になる料金としては、
CJ+入会金(ベーシックプラン¥2,700/年)、利用クーポン ¥500/回、ヤマト便(横浜 → 長崎片道 ¥3975)で年1回の利用でも往復の合計が¥11,150となる。
参考までシクロエクスプレスだと離島料金が追加されて¥15,000になるのでお得感はある。(2018/6現在) 年間の利用回数が増えれば、さらにお得感が増すことになる。
ただそのヤマト便は、取り扱い可能な最大寸法サイズが3辺の合計が203cmになっており、対応しているバッグは有名どころではこのキュービクルのバイクポーターPRO(いわゆる小さい方)になってしまう。つまりパッケージングは少し頑張らなければならないわけだ。
ネット情報を見る限り、どう考えてもTTバイクはかなりバラバラにしなければならないことは明らかであるが、もう時間もないのでAmazonで速攻ポチって届くのを待つことにした。
一方、Sciconの取り扱いはできなくなったが、大きいボックスにも対応しているという点でシクロエクスプレスを選びたい人も多いと思う。ただ自分は昨年夏に利用して(昨年はSciconも取り扱っていた)輸送中にロストしてしまい、現地でロングライドに参加できないというトラブルに巻き込まれ・・・その時の対応も含めてネガティブな印象を持ってしまい今回は選択肢から外すことにした。

届いた箱をみて驚いたのは・・・折りたたんだ状態ではかなりコンパクト。使わない時の収納に困らないという点ではかなりうれしいが、これ入るかなぁ??というのが正直な印象である。しかも届いたのは集荷日(しかも午前指定)の前日・・・まぁいつも夜にバタバタしても良かった試しがないので、今夜はゆっくり寝て明日朝にがんばると決める。

朝早く起きて早速箱を展開してみる。前後の車輪とペダルを外したフレームとならべてみてもこんな感じ・・・お〜全然入りそうにない。ちなみにTTバイク用のSciconはこの状態で収納が可能である。どう見てもハンドルとサドルは外さなければならないので、当然のように外してみる。
ハンドルの取り外しで問題になるのが、各種ワイヤーの取り回しである。自分のバイクは電動化されているので、電気系のワイヤーはジャンクションから外すことができるが、フレームの中に内装されているブレーキワイヤーは抜くことができない。つまりハンドルを完全に外さずしての固定が必要になる。そこで重宝したのがこの再利用可能な300mmのタイラップである。
これを使ってハンドルをフレームに固定すれば想像以上にうまく収めることができた(写真撮り忘れたのでまた現地で撮影して追加します)。しかも再利用可能のタイラップなので現地でもすぐに外すことができるし帰りもまた使える。これはお勧めである。

これで入るか??と期待したが、残念ながらこれだけではリアディレーラーがぎりぎり入らない。チェーンも交換したばかりなので切ることはできず、結局プーリーも外す事になった。でも重要なレース前だとこのタイミングでチェーンを切って、現地新品に交換というのも有効ですね。
で・・・ここまで外したフレームはかなりスッキリ。最後にチェーンが輸送中に暴れてねじれないように、ハンドル同様にタイラップで2箇所ほどフレームに固定して動かなくすれば大丈夫。

フレームがこのボックスに収まれば、後はこんな感じで前後のホイールもポンプも隙間に十分入るスペースを確保できる。ボックスの底には一応不要になったバスタオルを一枚敷いて収納している。
結論としては、

ペダル、ハンドル、サドル、リアディレーラー

の4つを外しさえすれば、想像以上にコンパクトに収まることが分かった。しかもこのコンパクトさは、無理矢理詰め込んでいるというよりむしろ美しく収まってる!
取り外したハンドルの取り回し方さえ決められれば、二回目以降はかなり効率的にできると思う。そういう意味ではSciconはスペース的にはかなり無駄が多いとも言える。普段自分でメンテナンスをしない方は、リアディレーラーのプーリー外しは初めたらうかもしれないが、ついでに普段手が入りにくい摺動部の掃除もできるのでレース前には良い切っ掛けになるかと。どうしてもいやならチェーンごとフレームのどこかに固定しておく手もあるので。
まぁ・・・普段からこのサイズの輸送ボックスを使っている選手のみなさまには当たり前の作業かもしれないが、Sciconに頼り切っていた自分にとっては非常に貴重な機会になった。少しでも参考にしていただければ幸いです。
なんかいろいろアイデアも浮かんだので新たな輸送ボックスを開発したくなった(笑)