超初心者が行く! IRONMAN World Championship 応援の旅

はじめまして。小城といいます。
ZOHNメンバーと一緒に10月12日にハワイのカイルア・コナにて行われた Ironman World Championshipに出場した小池選手、稲葉選手の応援に行って参りましたのでレポートします!

ちなみにタイトルの「超初心者」というのは、プレイヤーにはほど遠くトライアスロンとしてです。
普段まったくと言って良いほど運動せず(した方が良いのだろうなという危機感はありますが)、トライアスロンはもとよりスポーツ観戦自体ほとんど経験のない人間が、平均10時間超のレースをこなすトライアスリートたちを見て何を感じたのか、お伝えしていきたいと思います!
 


IRONMANってなに?

今回応援に行くことになったきっかけは8月半ばにZOHNの津嶋さんに「一緒にコナに応援に行く?」と誘ってもらったこと。
しかしインドア文化系育ちの私、スポーツ全般にほとんど興味を持ったことがなく、教養が無いと言っていいレベルでだいぶ疎い。
トライアスロンについても「走って泳いで自転車こぐやつ(順番や距離は分かってない)」という雑な知識しかありません。
「コナのIRONMANはトライアスロンの中でも最高峰の大会だから」と津嶋さんがその魅力を伝えてくれるのですが、
IRONMAN?ロバートダウニーJr?
ってあの赤いメタリックなアメリカンヒーローを先に思い浮かべる超初心者。
(Google画像検索結果もこの通りなので初心者が知らないのもしょうがない気もしてきますが..)
 

とりあえずググる

インターネットにより「IRONMANはトライアスロンの中でも最も長距離の大会で、スイム3.8km + バイク180km + ラン42.195km で合計約226kmのレース」だということが分かりました。
ん~~想像し難い。
高校時代の体育の授業でマラソン5kmすらも走りきれなかった人間にはにわかに信じがたい。
そもそもこれ1日でやるの?
箱根駅伝みたいに2日間とか日を跨いでやるのかな?と思ったのですが、レース日程を見ても10月12日としか記載がないので、どうやら1日でやるらしい。
更に分かったことはKONAのIRONMANは、他のIRONMANのレースで入賞して出場権を得た人だけが出られる、トップトライアスリートたちが集結する世界大会らしい。
226kmのレースに出るために226kmの予選に出るんですね?
なんのためにそんな試練を課すんだろうな?😏?
でも毎年約2,000人が参加する大会。
それほど人を魅了する何かがあるのでしょう。
現地に行って、長時間のレースをどうやって応援するのだろうっていうところも気になります。
私が行って楽しめるのかどうか、若干不安な気持ちを抱きつつも参加することに決定しました。
 


準備したこと

慣れている応援者の方々は当日応援をがんばれば良いかと思いますが、映像でもトライアスロンを見たことのない超初心者なので3つやったことがあります。
1. トライアスロンの映画を見た
まずは入りやすいところからトライアスロンを知ろうと思い、Netflixで「100メートル」という映画を見ました。
多発性硬化症という難病にかかり、普通に100メートル歩くことも難しくなってしまうと言われた状況からIRONMANにチャレンジするというお話。実話が元になっています。
実際IRONMANのレースでもハンディキャップを持った方がたくさん出場されているのですね。
2. IRONMANの動画を見た
こちらは昨年のIRONMAN in KONAの動画ですね。
これを見てだいぶコナの雰囲気を分かった気になれました。
本当にいっせいに海泳ぐんだなとか、自分のバイクどこに置いてあるか分からなくなっちゃいそうだなとか。いろんな思いを抱えて参加している選手がたくさんいるんだな~ということも。

3. IRONMAN Trackerアプリを入れた
こちらは超初心者じゃなくても観戦しにいく方は全員がインストールしておいた方が良いスマートフォンアプリですね。
アカウント登録して、当日応援する出場者をフォローしておきます。
地図表示ができてどういうルートを辿るのかも見られるので、改めて226kmという距離に驚きます。
アプリ地図キャプチャ


KONA到着後

10月10日にJAL770便でコナに到着。今まで行った中で最も質素な空港です。
テントのようなところでの入国審査を出たあとの待合いスペースがこちら。建物らしいものはありません。

 
私は初めてのハワイでしたが、オアフ島のイメージの所謂 ザ・ハワイ感はまったくありません。
レンタカーを借りて宿まで移動しましたが、ゴツゴツした黒い溶岩が転がっていて、活火山の島なんだな~と実感。
街中には走っている人、バイクに乗っているいる人がたくさんいる~!
大会前特有の雰囲気なのでしょうか?これだけでちょっとわくわくします。
なんとバイクに乗った小池選手と丹野選手にも偶然出くわしたりもしました。

10~11日は、コーヒー農園やビーチなど観光に行き、ハワイ島を満喫しました。
コーヒーの実 ビーチに入る犬

【TIPS!】スマートフォンのネットワークについて
私はT-MobileのSIMカードを日本で用意して行きました。
内陸で標高が高めのところはところどころ繋がりにくいところもありましたが概ね問題なく、速度的にも不満のない使用感でした。
ソフトバンクのアメリカ放題のスプリント回線を使っている人も特に街中は問題なさそうでした。ただ、島の南側に行ったときはスプリントの回線は弱く繋がりにくいようでした。

10日の夜は、小池選手と稲葉選手の応援のためZOHNメンバーやトライアスリートの皆さんで集まりました。
ハワイらしいムードばっちりのお店でお肉もデザートもハワイらしい美味しい食事で大満足!
みんなで食事
ハワイらしいごはん
 


大会当日

泊まっていたヴィラから一番近くのショッピングモールからシャトルバスが出ていることを前日に確認。
朝5時半にシャトルバスに乗りました。

停留所でなくてもドライバーさんがバスを停め、会場に向かう人を次々に乗せていくことにほっこり。
会場に着く前には立ち乗りでもぎゅうぎゅうなシャトルバスでした。

【TIPS!】移動について
今回の旅では一緒に行ったメンバーが皆お酒を飲むので、ライドシェアサービスを頻繁に使う予定でした。
が!UberもLyftも数が少ない!
どちらも昼間は6台ずつくらいしか表示がなく、夕方~夜はもっと減ります。きっと同じように飲みに行く人がたくさんいるのでしょうね。
ヴィラのレセプションにタクシーを呼んでもらったり、他にどうしようもなければLyftを20分近く待ったりしました。
移動は計画的に~!

6時くらいに会場近くに到着。スタート地点まで歩いていきます。
まだ仄暗いけれど人はたくさん!
スタート&フィニッシュエリアに近づくほど熱気が高まっていくのが分かります。
ノリの良いR&Bがかかっていて気分も上がるな~!
スタート前の小池選手に会えました!少し緊張しているご様子。

 
稲葉選手も発見!元気いっぱいの笑顔!!

 

レーススタート!

最初のスタートはプロの男性で06:25、その少し前にアメリカ国歌も歌われていました。スポーツ大会っぽい~!
すごい盛り上がりの中、大会スタートです!
M40-44の小池選手は07:00に、F25-29の稲葉選手は07:15にそれぞれスタート!
選手が今どのあたりにいるのかはアプリでチェック。
この画像の「KK」が小池選手、「AI」が稲葉選手です。

他にも何人か気になる日本人選手や優勝候補の選手をフォローしていました。
アプリを立ち上げていないときでも、フォローしている選手がポイントを通過すると通知が届くので便利!
ただし電池はそれなりに消費します。

【TIPS!】見てもらうとわかるのですが、応援する選手にはアプリでの画像登録をしてもらうと表示が目立って分かりやすいです…!!

 

バイクスタート!

スイムをしっかり見られる場所にはいなかったので、会場周りを少し散策したのち、バイクのスタート地点で待機。
スタートから1時間弱で小池選手がバイクをスタートさせました!!
通り過ぎる一瞬を全力で応援!!

続いて20分後くらいに稲葉選手もバイクスタート!!

みんな本当に4km弱も泳いできたの?という勢いのある選手が多い印象でした。

隣にいた男性が「君は日本人?」「さっきのが君の友達?」と話しかけてくれました。
観戦する人も世界中から集まってきているので、色んな国の方と気軽にお話できるのも楽しいです。
また今回の出場者の中で最高齢86歳の稲田選手のバイクスタートもお見送り!
稲田さんは70歳でトライアスロンに初挑戦して80歳と83歳でIRONMANを完走したとのこと。すごすぎる。
トライアスロンって年齢幅が広くて、大人になってからでも挑戦できることが魅力のひとつなんだろうな~

この時点でめちゃくちゃ楽しんでいる自分に気が付きます。
すべての選手にがんばれ~と純粋に応援する気持ちが湧き出てきます。不思議な感覚。
 
その後IRONMANの公式ショップや地元のお土産屋さんでお買い物をしたり、レストランで昼食をとりました。
この道はランのコースなのですが、選手への応援メッセージがたくさん!
チョークを売っているお店もあったので、ランが始まる前に書けたら良かったな~!

朝フル充電していたスマートフォンの電池残量は正午くらいには35%くらいにまで減っていたので、レストランでコンセントを借りて充電しました。充電コネクタ持ってきておいてよかった…

【TIPS!】レースは長い!モバイルバッテリーは絶対あった方が良いです!

 
レストランにいる間に、小池選手の動きが止まっていることに気が付きます。
なにかトラブルがあったのか心配….
稲葉選手は順調に脚を進めている様子です。
元気に戻ってきてほしい!
 

ランスタート!

そして14時過ぎに稲葉選手がバイクを終え、ランをスタートさせました。
この日の最高気温は31度。体力は大丈夫だろうか??とド素人のくせに選手のことを心配し、どきどきしながら待っていると…

駆け抜けていく稲葉選手!
上り坂が辛そうだけれどがんばって…!!!
このあとすぐ、06:25にスタートしたプロのJan Frodeno選手が1位で7時間51分というタイムでゴールしました。
早い…!!
行く前に見た映画の印象で、レースは夜まで掛かると思っていたのですが、トップ選手はこんなに明るいうちにゴールしてしまうのかと驚きです。
 
その後稲葉選手に再会!
今度は稲葉選手らしい素敵な笑顔を見せてくれてこちらがハッピーになってしまいます。

一瞬でも、応援している選手のレースに立ち会えたときは本当に嬉しい気持ちになりますね!
 

続々とゴールしていく選手たち

フィニッシュエリアに行くともうすごい盛り上がりです。
たくさんの選手がゴールしていきます。
ゴールした選手の反応はさまざま。
ガッツポーズをする人もいれば、疲れ切って倒れる人も、、
ゴールした人たち、みんな3.8km泳いで180kmロードバイクをこいで42kmのフルマラソンをしたんですよね。。
本当にすごい。
観客からは温かいという以上の、熱意と敬意のある拍手が送られ続けています!

 

稲葉選手のゴール

少しずつ日が傾いていくコナ。
小池選手はバイク中に他の選手に衝突され怪我をしてしまい、残念ながら途中でリタイアとなってしまったとの情報を得ました。
今日のために準備を重ねてきた小池選手の悔しさは計り知れません..
あとは稲葉選手を最後まで全力で応援しようと気持ちを改めます。

 
17時半過ぎ、ゴール手前600メートルくらいで稲葉選手を待っているとき、ひとりの女性選手が転んでしまうハプニングに遭遇しました。
その選手は立ち上がるのも難しい様子。
その倒れてしまった選手の肩を抱き、一緒にゴールに向かおうとする他の選手!
200km以上の道のりを同じようにがんばってきた選手同士だからこそ、助けたくなるのでしょう。
目頭が熱くなるシーンでした。

そのあと、私は稲葉選手のゴールの瞬間をどうしても見たくなり、ひとりゴール近くまで行きました。
ゴール手前の熱量は本当にすごい!
あとちょっとだよ!おかえりなさい!といろんな国の言葉が飛び交っています。
そして遂に稲葉選手登場~!

会いたかったー!嬉しい!!
18時過ぎ、10時間46分のタイムでゴール!

後ろ姿のガッツポーズですが、稲葉選手の満面の笑顔が目に浮かびます。
本当に本当にお疲れさまでした!!
 


さいごに

まだレースは続いているので、メイン会場から10分ほど歩き、コースを避けたところでライドシェアの車を捕まえてヴィラまで帰りました。
約12時間の応援、それなりに疲労感があります。
選手でなくても、こんなに長時間ひとつの競技に集中することってなかなかありませんよね。
たくさんの選手の奮闘を目の当たりにしたこと、レースを支えるボランティアの方々・応援する方々の熱のこもったサポートを感じたこと、稲葉選手のゴールを見届けられたことなどで私にもなにか気持ちの良い達成感がありました。
また、初のトライアスロン観戦で、IRONMAN in KONAという最高峰のレースを見られ、これがトライアスロンか…!!! と感慨深くなりました。
動画を見るだけでは分からなかった、現地の熱気、そこにいる人たちみんなの一体感、街を挙げての感動を共有できる空間。
これをすべて感じられるスポーツって他にもあるのでしょうか?
別のトライアスロンレースも見てみたいですし、これを機に、他のスポーツ観戦もしてみたいなという気持ちになりました。
素敵な機会をいただき、ありがとうございました。
 
ぜひ、稲葉選手のKONAレポートもご覧下さいね!